菊屋横丁

菊屋横丁

菊屋横丁は、山口県萩市の春若町から南古萩町へと続く、全長約0.5kmの市道です。この道は、かつて萩藩の御用商人であった菊屋家の屋敷脇を通っていたことから、その名が付けられました。菊屋家は、徳川幕府の巡見使が宿泊する本陣にも指定された名家でした。

道の幅は約3mで、昔ながらの石組みの側溝が残されています。萩市は、江戸時代の1604年に毛利輝元が萩城を築いて以来、毛利藩の城下町として栄えました。菊屋横丁は、萩城の西側に位置し、呉服町を通り、萩城へと続く「御成道」に面しています。そのため、この道は江戸時代の雰囲気を色濃く残しており、美しい土塀（なまこ壁）が連なる風景は、訪れる人々を魅了します。その景観の美しさから、1986年には「日本の道100選」にも選ばれました。

菊屋横丁の名の由来となった菊屋家住宅は、17世紀後半に建てられた現存する大型町屋としては日本最古級の建物で、その歴史的価値から一般公開されています。この道は、テレビ番組や映画のロケ地としてもよく利用され、萩市を象徴する風景の一つとなっています。また、萩市の市章は、菊屋横丁で見られる土塀の文様をモチーフにしたものです。

沿道の旧跡

菊屋家住宅：菊屋横丁の名前の由来となった歴史的な建物です。江戸時代初期の町屋の様式を今に伝える貴重な建築物で、一般公開されています。
高杉晋作旧宅（誕生地）：幕末の志士、高杉晋作が生まれた場所です。敷地内には、当時の面影を残す建物や庭が残されています。
* 田中義一旧宅（誕生地）：大正から昭和にかけて活躍した政治家、田中義一の生家です。当時の暮らしぶりを偲ぶことができます。

菊屋横丁は、萩市の歴史と文化を感じられる、魅力的な場所です。これらの旧跡を巡りながら、ゆっくりと散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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