萩城

萩城（はぎじょう）の歴史と構造

萩城は、山口県萩市にかつて存在した日本の城で、別名指月城（しづきじょう）とも呼ばれています。この城の遺跡は国の史跡に指定されており、現在は指月公園として整備されています。公園内には旧厚狭毛利家萩屋敷の長屋が残っており（重要文化財）、また松下村塾や侍屋敷などとともに観光スポットとしても知られています。

城の築城背景

関ヶ原の戦いにおいて西軍の総大将となった毛利氏は、敗戦の結果として周防国と長門国の2か国に減封されることとなりました。そして、広島城に代わる新たな居城として、慶長9年（1604年）に萩城の築城が始まりました。萩城は慶長13年（1608年）に完成しましたが、築城者である毛利輝元はまだ完成していない状態で入城しました。

城は指月山の山麓の平地に本丸、二の丸、三の丸を配置し、山頂には詰丸と呼ばれる山城を擁する形で構成されています。本丸には藩主の居館や政庁が置かれ、長州藩の拠点として250年以上にわたって機能しました。しかし、明治7年（1874年）には廃城令により多くの建物が取り壊され、現在残っているのは主に石垣や堀などです。

歴史の流れ

萩城の歴史は戦国時代に遡ります。指月山には津和野城の吉見氏の出城が存在し、後に吉見正頼の隠棲所となりました。1600年の関ヶ原の戦いでは、毛利輝元が西軍総大将を務めるも敗北し、減封される結果となりました。その後、輝元は幼少の嫡男に代わって後見役として萩を選び、城の築城へと進みました。

1604年には本格的に萩城の建設が開始され、1608年には完成しました。江戸時代においては、長州藩の重要な城として機能し続けましたが、1863年に藩庁が山口に移転したことで、その役目を終えました。明治時代には廃城令によって多くの構造物が失われましたが、1951年には国の史跡として認定されるなど、現在もその歴史的価値が認識されています。

城の構造と特徴

萩城は三角州に位置し、三方を海に囲まれた防御に優れた城でした。指月山の山頂に位置する詰丸は、戦時に必要な要害的な役割を果たしていました。内堀や石垣は本丸や二の丸を囲み、外堀は城内と城外を隔てる重要な役割を担っていました。

本丸は、天守や櫓を持つ中心的な区域であり、また二の丸は藩主や重臣の居住区として機能していました。完全な復元は難しいものの、近年では二の丸土塀やいくつかの構造物が復元され、さらに天守などの復元が行われる準備も進められています。

現在の萩城と観光の魅力

現在、萩城跡は観光名所として多くの人々に親しまれています。指月公園として整備されたこの場所では、歴史的な景観を楽しむことができます。また、近隣には萩博物館やその他の文化財があり、萩市全体が歴史を感じさせるスポットとなっています。

特に注目されるのは、指月山自体が国指定の天然記念物であり、様々な植物が生育する場所としても知られています。このように、萩城はただの城跡ではなく、その周辺の自然とともに文化的な価値を持った歴史的な宝と言えるでしょう。

もう一度検索