菊岡久利

菊岡久利

菊岡久利（きくおか くり、1909年3月8日 - 1970年4月22日）は、昭和時代に独自の文学世界を築いた作家であり、詩人です。本名は高木陸奥男（たかぎ みちのくお）と言います。

青森県弘前市に生まれた菊岡は、旧制海城中学校を中退後、作家の道へと進みました。文壇では横光利一に師事し、その影響を受けながらも、独自の作風を確立していきます。

彼の作品は、詩、小説、戯曲と多岐にわたり、都市生活者の孤独や焦燥、退廃的な雰囲気を色濃く反映している点が特徴です。特に、小説『怖るべき子供たち』は、直木賞候補となるなど、高い評価を受けました。この作品は、戦後の混乱期における若者たちの心情を鮮烈に描き出し、多くの読者の共感を呼びました。

菊岡はまた、銀座の愚連隊と交流があったことでも知られています。その関係から、白木屋騒動の際には調停委員の一人に担ぎ出されるなど、社会的な事件にも関わりました。本名の他に、鷹樹寿之介という別名も使用していました。

1970年4月22日、菊岡久利は生涯を閉じました。葬儀委員長は、親交の深かった作家、川端康成が務めました。彼の死後も、作品は読み継がれ、その文学的功績は高く評価されています。

主な作品

詩集『貧時交』
詩集『時の玩具』(日本文学社、1938年)
詩集『見える天使』
戯曲集『野鴨は野鴨』(三笠書房、1940年)
『貧時交・時の玩具・以後見える天使』(大観堂、1940年)
小説集『怖るべき子供たち』(日比谷出版社、1949年)
モダンダンス台本『プロメテの火』(1950年)
小説集『銀座八丁』(小説朝日社、1952年)
『都会の野鴨』(七星閣、1952年)
小説集『ノンコのころ』(淡交社、1956年)
『日本未来派 第4詩集』(カルチャー出版社、1976年)
東京都市大学付属中学高等学校　校歌

外部リンク

菊岡久利の世界 - ウェイバックマシン (2012年10月17日アーカイブ分)
菊岡久利の略歴 - ウェイバックマシン (2016年3月4日アーカイブ分)

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