菊池一隆

菊池一隆のプロフィールと業績

菊池一隆（きくち かずたか、1949年生まれ）は、日本を代表する歴史学者の一人であり、中国近現代政治経済史を専門分野としています。特に日中戦争史、台湾史、世界華僑史、中国協同組合史、歴史教科書問題など幅広いテーマを扱っており、その業績は高く評価されています。現在、愛知学院大学の名誉教授としても知られています。

略歴

彼は1949年に宮城県に生まれました。福島県立福島高等学校を卒業後、福島大学経済学部経済学科に進学し、そこで学士号を取得。そして、東京教育大学大学院にて文学の修士号を取得しました。さらに、筑波大学大学院での歴史・人類学研究科の博士課程を修了し、1982年には大分県立芸術短期大学で専任講師としてキャリアをスタートします。

その後1984年より大阪教育大学に移り、専任講師、助教授、教授と昇進。2005年から2019年までは愛知学院大学文学部歴史学科の教授職に就き、その後2020年からは客員教授として学生を指導しています。

菊池氏の業績は数ある賞に認められています。特に1999年には、中国社会科学院と共催の「中華人民共和国成立50周年中国革命史中青年海外優秀論文賞」を受賞しました。また、2002年には神戸大学より文学博士の学位を受給し、2009年には立命館大学で経済学博士を取得したこともあります。

学会活動

菊池は、日本現代中国学会の東海部会の代表や、中国現代史研究会の理事長など多岐にわたって学会活動にも積極的に関与しています。これにより、彼の研究成果が広がり、若手研究者の育成にも貢献しています。彼の探求を通じて、近現代の中国及び東アジアの歴史がいかに形成されてきたかが明らかにされつつあります。

主要著作

菊池一隆は数多くの著書を著していますが、主なものを以下に挙げます。

• - 『中国工業合作運動史の研究』 (2002年、汲古書院) では中国における工業の発展と協同組合の運動について詳細に分析しています。
• - 『日本人反戦兵士と日中戦争』 (2003年、御茶の水書房) では、戦時中の日本人捕虜の視点を通して日中戦争の実態を描出しています。
• - 『中国抗日軍事史 1937-1945』 (2009年、有志舎) では抗日戦争の軍事的側面に焦点を当てています。
• - 『戦争と華僑 続編』 (2018年、汲古書院) は華僑と中国国民政府との関係を深掘りしています。

また、彼の研究は書籍の形に留まらず、詩集や小説も手掛けています。詩集には、『雪中行』や『天涯回夢』などがあり、これらは文学的な観点からも評価されています。

結論

菊池一隆の業績は、日本と中国近現代史を結ぶ重要な役割を果たしています。彼の研究はただの学問にとどまらず、歴史的な真実と人間の営みを探求するものであり、今後も多くの研究者に影響を与え続けるでしょう。彼の功績は、日本の歴史学界においても特筆され、多くの学生や研究者にインスピレーションを与えています。

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