菊池光造

菊池光造：労使関係研究の第一人者

菊池光造（1936年9月5日-2023年4月11日）は、日本の経済学界に多大な貢献をした経済学者です。京都大学名誉教授の称号を持ち、その専門は労使関係にありました。

華麗なる一族と学究の道

菊池氏は、法学者として知られる九州大学総長を務めた菊池勇夫氏を父に持ち、学術一家に育ちました。兄弟には東洋史学者、海洋生物学者、法学者と、それぞれ異なる分野で活躍する才能豊かな兄弟がいます。この恵まれた環境が、菊池氏の学問への道を支えたと言えるでしょう。

福岡県立修猷館高等学校卒業後、京都大学経済学部に進学。その後、同大学大学院経済学研究科で修士課程、博士課程単位取得満期退学と順調にキャリアを積み重ねます。修猷館時代の同級生には、後に京都大学文学部長・文学研究科長を務めた中国文学者もおり、優秀な人材が集まる環境で研鑽を積んだことがうかがえます。

研究者としての歩み

岡山大学法文学部助手、助教授を経て、1977年、京都大学経済学部助教授に就任。1984年には教授に昇進します。1985年には「イギリス労使関係の構造と展開」という論文で経済学博士号を取得。この論文は、氏の後の研究活動の礎となりました。

特に注目すべきは、ロンドン大学労使関係学部客員研究員（1986年7月-1987年4月）時代の研究です。イギリス鉄鋼業における綿密な労使関係の調査・研究を行い、その成果は『現代イギリスの労使関係』（上・下）という共著として結実しました。この著作は、英国の労使関係研究における重要な貢献として高く評価されています。

教育者・行政者としての貢献

1995年には、京都大学経済学部長・経済学研究科長に就任。経済学部・経済学研究科の組織改編や大学院重点化を推進し、見事に成功に導きました。その後、京都大学附属図書館長を経て、2000年に京都大学を退官しました。

晩年と功績

退官後も精力的に活動し、2015年には瑞宝中綬章を受章。その功績は高く評価されました。2023年4月11日、86歳で逝去されました。

菊池光造氏の研究は、労使関係論の発展に大きく貢献しました。特にイギリスにおける研究は、日本における労使関係研究に新たな視点を与えたと言えるでしょう。また、教育者・行政者としても、京都大学の改革に大きく貢献したことは特筆に値します。氏の功績は、これからも経済学界に長く影響を与え続けるでしょう。

主な編著書

『労使関係の論理と展開』（共編著）
『現代イギリスの労使関係』（上・下）（共著）
* 『成熟世界のパラダイムシフト』（共編著）

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