菊池努

菊池努（きくちつとむ）

菊池努は1953年生まれの日本の政治学者であり、主にアジア太平洋地域の国際政治経済や日本外交に関する研究を行っています。現在、青山学院大学の副学長、および国際政治経済学部の教授として教育と研究に従事しており、さらに青山学院大学国際政治経済研究開発センターの長も務めています。彼はこうした学術活動以外にも、ブリティッシュコロンビア大学の客員教授として国内外で活躍しています。

学歴とキャリア

菊池は埼玉大学の教養学部卒業後、一橋大学大学院法学研究科で公法専攻（国際関係論）の修士課程を修了し、さらに博士過程に進みました。1996年には一橋大学より『APECアジア太平洋新秩序の模索』の著作をもとに法学博士の学位を取得しています。彼の指導教官は細谷千博です。学術の道を進む中で、日本学術振興会の奨励研究員や日本国際問題研究所の研究員としても活動しました。

キャリアの初期には、オーストラリア日本国大使館で外務省専門調査員を務め、その後中部大学国際関係学部の講師、助教授、埼玉大学教養学部の非常勤講師、南山大学法学部の助教授と教授を歴任しました。これに続いて、青山学院大学の国際政治学科教授へと移り、同大学の国際政治経済研究開発センターの長も兼任しています。

菊池は日本の国際問題に関する多くの研究機関での客員研究員の職を経験しており、2017年には日本国際問題研究所の上席客員研究員に就任しました。2018年には青山学院大学の副学長に任じられており、学内外での影響力を発揮し続けています。

研究活動

菊池は長年にわたり、北東アジアの安全保障をテーマにした制度化研究に取り組んできた研究者として知られています。彼は外務省のさまざまな研究会の委員としても活躍し、特に六者会合や日米中関係に関する研究に力を入れています。加えて、2012年にはベルギーのブリュッセルで開催された日EU共同シンポジウムにも参加し、国際的な場でも日本の視点を発信してきました。

菊池の著書は多岐にわたり、特に日本国際問題研究所から出版された『APECアジア太平洋新秩序の模索』が代表的です。彼は、ASEANや東アジア共同体構想をテーマにした論文や、アジア太平洋地域の安全保障についての分析を行っています。彼の研究は地域の政治的動向を理解する上で欠かせないものとなっています。

社会的影響

菊池は日本社会においても積極的に発言をしており、特に日本がアジアにおいて果たすべき役割についての見解を明確にしています。衆議院憲法調査会では、アジアにおける日本の積極的役割が重要であるという意見を述べたことがあり、その社会的影響力は大きいです。

その活動を通じて、彼はアジア太平洋地域における国際的な研究と議論を推進してきた重要な人物であり続けています。

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