菊池博

菊池 博（きくち ひろし）氏は、1962年6月12日に現在の茨城県下妻市にあたる結城郡千代川村で生まれました。地元の茨城県立下妻第一高等学校を卒業後、中央大学理工学部管理工学科で学びます。大学卒業後は税理士法人事務所に勤務し、専門知識を活かしました。

政治家としてのキャリアは、2003年（平成15年）に千代川村議会議員選挙で初当選を果たしたことから始まります。その後、2006年（平成18年）1月1日に千代川村が下妻市に編入されたことに伴い、2007年（平成19年）に行われた新たな下妻市議会議員選挙に立候補し、当選を果たしました。

下妻市長への挑戦を表明したのは、2017年（平成29年）12月25日のことです。任期満了に伴う市長選挙への立候補の意向を示しました。そして、2018年（平成30年）3月25日に投開票された下妻市長選挙において、現職候補との一騎打ちを制し、見事に初当選を果たしました。同年4月14日に市長に就任しています。2022年3月20日告示、同27日投開票が行われた市長選挙では、対立候補が現れず、無投票での再選となりました。

市長としての主な取り組みとしては、特にDHCとの包括連携協定解消に関する対応が挙げられます。下妻市は2017年（平成29年）10月にDHCと、市民の健康増進や地場産業活性化、災害対策など多岐にわたる分野での包括連携協定を締結していました。

しかし、2020年（令和2年）11月以降、DHCの吉田嘉明会長による、競合他社のCM出演者やNHK職員に関する差別的ともとれる記述が同社ウェブサイトに掲載される事態が発生します。これに対し、下妻市は2021年（令和3年）5月14日付けで、市長名の申し入れ書をDHCに送付し、約1ヶ月の期限を設けて問題の記述の削除などを求めました。DHCからは一部を削除したとの連絡があったものの、市は「一部削除では到底容認できない」との立場を崩しませんでした。その後、6月1日までに問題の記述は全て削除されましたが、菊池市長は「企業としての公式な見解が示されていない」と指摘。同日の定例記者会見で、「差別的内容が掲載されていた事実は、人権尊重に取り組む本市としては看過できない」として、当該年度の提携事業を中止する方針を表明しました。DHCはメールでの回答で不適切な表現があったことを認めたものの、回答内容の外部公表を拒否したため、下妻市は最終的に2021年（令和3年）7月15日付けで連携協定を解約する文書を送付し、協定を解消するに至りました。

また、新型コロナウイルス感染症対策に関連して、2020年（令和2年）5月21日には、対策の財源確保のため、自身の6月期末手当を20％減額する方針を市議会全員協議会で発表しました。さらに、副市長と教育長についても10％の減額を行うとしています。

税理士としての経歴を持ち、村議、市議を経て市長となった菊池氏は、市民生活に関わる様々な課題に対し、具体的な施策や毅然とした対応を示しながら市政運営にあたっています。特に、人権に関わる問題に対する姿勢や、危機管理への対応は注目される一連の行動は注目を集めました。

もう一度検索