菊池明

菊池明（きくち あきら）は、1899年（明治32年）11月8日に生まれ、1973年（昭和48年）8月29日に生涯を閉じた、昭和時代を代表する土木工学者、内務官僚、そして建設技監です。

香川県出身の菊池は、1925年（大正14年）に東京帝国大学工学部土木工学科を卒業後、内務省土木局に入省しました。その後、下関土木出張所や興亜院での勤務を経て、1945年（昭和20年）には国土局道路課長に就任しました。戦後の復興期においては、近畿土木出張所、建設院地政局長、建設省道路局長と要職を歴任し、1952年（昭和27年）には建設技監という最高位の技術官僚にまで昇りつめました。

1956年（昭和31年）に官界を退いた後も、菊池の活躍は止まりませんでした。日本道路公団理事として1960年（昭和35年）まで日本の道路建設に貢献したほか、地崎組副社長、地崎道路会長、橋梁コンサルタント社長など、民間企業においてもその手腕を発揮しました。さらに、日本道路協会会長、道路緑化協会会長、第13回国際道路会議議長、土木学会会長といった要職を歴任し、土木工学界の発展に尽力しました。

特に、菊池の功績として特筆すべきは、日本初の高速道路である名神高速道路の建設における貢献です。技術面での指導はもちろんのこと、ワトキンス調査団の受け入れや世界銀行からの借款交渉など、国際的な協力体制の構築においても中心的な役割を果たしました。彼の先見の明と卓越した交渉力は、日本の道路網の発展に大きく貢献し、今日の日本の発展の礎を築いたと言えるでしょう。

菊池明は、その生涯を通じて、日本の土木工学の発展に貢献した偉大な人物でした。彼の業績は、後世に語り継がれるべきであり、その功績は多くの人々に影響を与え続けています。

参考文献
高橋裕、藤井肇男 共著『近代日本土木人物事典: 国土を築いた人々』鹿島出版会、2013年。ISBN 4306094294。

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