菊池金吾

菊池金吾の生涯と功績

菊池金吾（きくち きんご）は、1812年に陸奥国稗貫郡亀ヶ森村で生まれ、1893年に亡くなった江戸時代と明治時代を生きた武士であり、実業家でもあります。彼は盛岡藩の重要な役職を歴任し、最終的には盛岡一の大富豪として知られるようになりました。

初期の生活と武士としてのキャリア

金吾は、盛岡藩の上級武士の家に生まれました。父親の希望で医者になるために他家に預けられましたが、自身の意志で帰郷。その後、1826年に盛岡に出て、藩の重臣・花輪伊豆守の下で仕官しました。後に大石貫一郎に養子として迎えられ、大石金吾と名乗るようになります。この時期、上下の信頼を集めていきます。

1840年には日詰御蔵奉行に任命され、その後も勘定奉行や金山御用掛、軍艦製造御用掛など、さまざまな役職を歴任しました。しかし、藩主の南部利済が失脚したことで金吾も蟄居を命じられ、1868年まで幽閉されることになります。この間、彼は佐藤清右衛門と共に自身の家産を利殖するための活動に注力しました。

明治時代の活動

1868年の明治維新以降、菊池金吾は新たな時代に適応し、地域の産業振興に大いに貢献しました。1873年、彼は県令の島惟精と手を組み、中の橋の近くで機業場の設置を計画します。同年の12月には機業場が完成し、こちらで盛岡藩士の子弟たちに技術を教えました。この活動は、地域経済の発展に寄与するものとなりました。

また、1881年と1876年には明治天皇の東北巡幸の際に金吾の私邸が行在所に指定されました。天皇が泊まった屋敷自体は現存しませんが、その庭園は現在「賜松園」という名で残っており、盛岡市肴町の杜陵老人福祉センターの庭として利用されています。

最後の時期と遺産

菊池金吾は1893年に82歳で亡くなりました。彼の墓は盛岡の藩主菩提寺である聖寿寺と、東京の青山霊園にあり、特に聖寿寺の墓石には伊藤博文が刻んだ碑文があります。その影響力は彼の死後も続き、現在でも彼の名は地元で語り継がれています。

家族と親族

金吾には数人の著名な親族もいます。彼の孫には宮内省の式部官として活躍した菊池第三が、甥には盛岡藩士で英語教育者の野辺地尚義がいます。また、彼の大甥となる山屋他人は海軍大将に昇進し、その曽孫にあたる皇后雅子がいます。このように、菊池金吾の家系は、今なお日本の歴史に名を刻む人物を輩出し続けています。

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