菊間町窯業協同組合

菊間町窯業協同組合：菊間瓦の伝統を未来へつなぐ

菊間町窯業協同組合は、愛媛県今治市菊間町に拠点を置き、地域を代表する伝統工芸品である菊間瓦の製造を担う事業者たちが集結した事業協同組合です。この組合は、単なる瓦製造の集合体ではなく、菊間瓦の品質維持、販路拡大、そして技術継承という重要な役割を担っています。

概要

1980年に菊間瓦が愛媛県の伝統的特産品に指定されたことを契機に、菊間瓦協議会から名称を変更し、新たに法人としてスタートを切りました。最盛期には67社もの組合員を抱えましたが、時代の変化とともに瓦需要が減少。近年では組合員数も減少傾向にあります。しかし、組合は地域団体商標の取得やイベント開催、高機能瓦の開発など、様々な取り組みを通じて産地の活性化を目指しています。

歴史

1980年：愛媛県伝統的特産品に菊間瓦が指定、菊間町窯業協同組合が設立。
1993年：地域活性化イベント「'93かわらぬ愛・菊間」を開催。
1997年：青年部が発足し、若手職人の育成に力を入れる。
2000年：全国いぶし瓦組合連合会に加盟、全国的な連携を強化。
2002年：愛媛県武道館の屋根瓦を納入、技術力をアピール。
2007年：地域団体商標「菊間瓦」を取得（菊間瓦工業協同組合と共同）。
* 2010年：「かわら館フェスタ」を初開催、地域住民との交流を深める。

取り組み

地域ブランドの確立

組合は、地域ブランド「菊間瓦」の価値を高めるため、様々な活動を展開しています。地域団体商標の取得はその一環であり、品質の保証とブランドイメージの向上に繋がっています。また、イベント開催を通じて、地域住民に菊間瓦の魅力を伝え、親しみを持ってもらうよう努めています。

技術の継承と革新

職人の高齢化が進む中、技術継承は喫緊の課題です。組合では、技術マニュアルを作成し、若手職人の育成に活用しています。このマニュアルは、菊間瓦の種類、製造技術、使用する道具などを網羅した貴重な資料となっています。また、耐寒性を高めた屋根瓦の共同開発など、時代のニーズに合わせた製品開発にも積極的に取り組んでいます。

瓦のふるさと公園の運営

今治市菊間町内にある瓦のふるさと公園の指定管理者として、公園の運営も行っています。公園では、菊間瓦の歴史や製造工程を紹介する展示や体験イベントなどを開催し、菊間瓦の魅力を広く発信しています。

菊間町窯業協同組合は、伝統を守りながらも、時代の変化に対応し、菊間瓦の未来を切り開こうとしています。その取り組みは、地域経済の活性化にも貢献しており、今後ますますその役割が重要になっていくでしょう。

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