華族令

華族令

華族令（かぞくれい）は、日本の貴族制度を規定した法令で、1884年7月7日に初めて制定され、その後1907年に改訂されました。初版の華族令は伊藤博文が中心となり制定され、1890年に新たな貴族院令が追加されましたが、最終的には1947年に廃止されました。

1884年の華族令

1884年7月7日、制度取調局によって制定された華族令は、旧公家や旧大名を基に公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵の5つの爵位に分類されました。特に、旧公家はその家格、旧大名は石高によってそれぞれの爵位が授与され、新たに国家に貢献した者にも爵位が与えられました。この制度により、旧華族と新華族の2つの分類が生まれ、旧華族の中では爵位が代々引き継がれる永世華族と、その標準を満たさない一代限りの終身華族という区分が存在しましたが、華族令の施行によってこの区分は廃止されました。そして、華族令が制定された直後の7月には509名の新たな有爵者が誕生しました。

また、1889年の貴族院令に基づき、特定の年齢に達した公爵や侯爵は貴族院の議員になれる特権を持つことになり、伯爵・子爵・男爵も互選により同様の特権を有しました。さらに、華族は家督相続の際に爵位を世襲できる権利を得、特に「華族世襲財産法」により、華族所持の財産の特別な保護が行われました。加えて、華族とその子弟が婚姻をする際には、宮内大臣の承認が必要とされていました。

1907年の皇室令

1907年には、華族令が改訂され新たな皇室令として発布されましたが、この改訂の目的は貴族制度をさらに整備することでした。この皇室令は1930年頃に一部見直しが行われましたが、根本的な貴族制度の存在は1947年に施行された日本国憲法により禁止されました。この憲法では、貴族制度が完全に廃止されることが定められました。

廃止

華族令は、1947年5月2日に皇室令および関連法令が廃止されたことにより、その歴史に幕を下ろしました。特に、日本国憲法第14条の第2項において貴族制度が禁止されたことが、この制度の終焉を決定づける重要な要因となりました。

華族令は、明治時代の日本における社会制度の変革を象徴するものであり、それによって華族制度が整備されたことから、当時の日本社会における貴族の位置づけや役割の変化を理解する手助けとなります。華族令は、その後の日本の法制度や社会構造に大きな影響を与えた重要な歴史的文書と言えるでしょう。

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