菱形筋

菱形筋（りょうけいきん）とは

菱形筋は、背中の上部に位置する筋肉で、左右の肩甲骨を脊椎に引き寄せる役割を担っています。僧帽筋という大きな筋肉の深層に位置し、肩甲骨の安定と肩甲骨の動きをサポートする重要な存在です。

菱形筋の構造

菱形筋は、[脊椎]]から肩甲骨の内側縁にかけて広がる筋肉で、具体的には第6頚椎(C6)から第4胸椎]の[[棘突起を起始とし、外下方に斜めに走り、肩甲骨の内側縁に付着します。

菱形筋は、その起始部の違いから、小菱形筋と大菱形筋の2つに分けられることがあります。小菱形筋は頚椎を起始とする上部の筋肉で、大菱形筋は胸椎を起始とする下部の筋肉です。しかし、これらは機能的には一体となって働きます。

菱形筋は、肩甲背神経という神経によって支配されています。この神経は、菱形筋の運動をコントロールする役割を担っています。

菱形筋の主な働き

菱形筋の主な働きは、以下の通りです。

肩甲骨を内転させる（肩甲骨を背骨に引き寄せる）
肩甲骨を上方回旋させる（腕を上げる動作をサポートする）
肩甲骨を下方回旋させる（腕を下げる動作をサポートする）
肩甲骨を挙上させる（肩をすくめる動作をサポートする）
肩甲骨の安定性を保つ

これらの働きにより、菱形筋は、腕を上げたり、物を引っ張ったりする動作、姿勢を維持する上で重要な役割を果たしています。

菱形筋と肩こり

菱形筋は、不良姿勢や長時間のデスクワークなどによって負担がかかりやすく、肩こりの原因となることがあります。猫背などの姿勢では、菱形筋が常に引き伸ばされた状態になり、筋肉が緊張しやすくなります。その結果、菱形筋に不快感、重圧感、こり感、痛みなどを感じることがあります。

菱形筋のケア

肩こりの予防や改善のためには、菱形筋のストレッチやエクササイズが効果的です。以下のような方法を試してみましょう。

肩甲骨を寄せるストレッチ：両手を背中の後ろで組み、肩甲骨をゆっくりと寄せるように胸を張ります。
菱形筋を意識したエクササイズ：ダンベルなどを持って、肩甲骨を寄せるように腕を引く動作を繰り返します。
正しい姿勢を心がける：デスクワークなどでは、背筋を伸ばし、肩甲骨を意識した姿勢を保つようにしましょう。

これらのケアを行うことで、菱形筋の柔軟性を保ち、肩こりの予防や改善に繋げることができます。

菱形筋に関連する項目

小菱形筋
大菱形筋
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