萩 (橘型駆逐艦)

駆逐艦「萩」：激動の時代を生き抜いた艦の生涯

「萩」は、日本海軍の駆逐艦です。舞鶴海軍工廠で建造された橘型（改松型）駆逐艦4番艦であり、その艦名は植物の萩に由来しています。同名の駆逐艦としては2代目となります。本稿では、「萩」の艦歴、歴代艦長、そしてその生涯について詳細に解説します。

艦歴

竣工後、「萩」は訓練部隊である第十一水雷戦隊に編入されました。同型艦「柿」と共に横須賀を出港し、瀬戸内海に向かいました。しかし、潮岬沖で「柿」の缶管が破裂、航行不能に陥ったため、「萩」は「柿」を大阪の造船所まで曳航するという任務を負うことになります。この曳航任務の後、「萩」は内海西部で訓練に従事しました。

その後、「梨」と共に第三十一戦隊第五十二駆逐隊に編入。山口県祝島南方で対空戦闘を行い、小破しました。終戦時には呉に停泊していましたが、10月5日に除籍されます。

除籍後、特別輸送艦に指定され、復員輸送に従事しました。そして、戦後処理の一環として、1947年7月16日、シンガポールにてイギリスへ引き渡されました。その生涯は、日本の近代海軍史における激動の時代を象徴するものです。

歴代艦長

艦長に関する記録は、参考文献『艦長たちの軍艦史』に詳細が記されています。それによると、少なくとも1945年3月1日時点では、森本嘉吉少佐が艦長を務めていたことが確認できます。詳細な歴代艦長については、上記の参考文献を参照ください。

参考文献

本稿の作成にあたり、以下の文献を参照しました。これらの文献には、「萩」の艦歴や当時の海軍の状況に関する貴重な情報が掲載されています。

海軍歴史保存会『日本海軍史 第7巻』第一法規出版、1995年
片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝』光人社、1993年
外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年
「歴史群像」編集部『歴史群像太平洋戦史シリーズVol.43 松型[[駆逐艦]]』学習研究社、2003年
アジア歴史資料センター（公式）（防衛省防衛研究所）
『昭和19年6月1日～昭和20年6月30日　第11水雷戦隊戦時日誌（6）』。JACAR:C08030127900。
* 『昭和19年6月1日～昭和20年6月30日　第11水雷戦隊戦時日誌（7）』。JACAR:C08030128000。

これらの資料は、当時の海軍の活動状況や「萩」の艦歴を詳細に理解する上で極めて重要な役割を果たしています。特に、戦時日誌は「萩」の行動や戦闘状況を克明に記録しており、その生涯を詳細に復元する上で欠かせない資料です。

まとめ

駆逐艦「萩」は、日本海軍の近代化と太平洋戦争、そして戦後の混乱期を象徴する艦と言えるでしょう。その艦歴は、激動の時代を生きた一艦の物語であり、日本の近現代史を理解する上で貴重な資料となっています。本稿が、その生涯の一端を伝えることができれば幸いです。

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