萬徳寺

萬徳寺（まんとくじ）

福井県小浜市に位置する萬徳寺は、長い歴史を持つ高野山真言宗の寺院です。山号は延宝山であり、本尊の阿弥陀如来を主祭神として信仰されています。特に、名勝に指定された枯山水庭園が、周囲の自然と調和して美しい風景を提供しており、多くの訪問者を引き寄せています。

歴史

萬徳寺の起源は、1265年に遡る古刹「極楽寺」にあります。当時の記録において極楽寺はすでに存在しており、室町時代の応安年間（1368年〜1374年）に安芸国円明寺の覚応法印によって、天台宗から真言宗に改宗され、その際に寺号も正照院と改められました。戦国時代には、当寺が武田氏の祈願所として選ばれ、1544年には武田信豊によって若狭国唯一の駆込寺と認可されるほどの栄光を誇っていました。しかし、元亀年間には戦火にあって寺は衰退します。

安土桃山時代に入ると、1602年に現在の萬徳寺と改名され、江戸時代の延宝5年（1677年）には小浜藩主の命により、音無川の岸から現在の山麓に移転されました。これにより、寺院は新たな場所で再生し、多くの信者を集めるようになりました。

文化財

萬徳寺には、数多くの文化財が保存されています。1952年に国の名勝に指定された庭園は、面積約1500平方メートルの蓬莱式枯山水庭園です。天然記念物の大山モミジを借景としているこの庭園は、斜面地を利用して造られ、中段中央には真言密教における本尊石が設置されています。

また、当寺には阿弥陀如来の木造坐像や、鎌倉時代に作られた絹本著色の不動明王三童子像、弥勒菩薩像など、重要文化財が数多く存在し、その歴史的価値は非常に高いです。さらに、福井県や小浜市指定の有形文化財も数点あり、多様な資料が残されています。

伽藍

當寺の伽藍は、阿弥陀堂（本堂）や庫裏を中心として形成されています。当寺の庫裏は書院造りで、茅葺きの屋根が特徴です。また、入山者が多く訪れることを考慮し、バリアフリー設備も完備されています。

利用情報

萬徳寺は毎日開門しており、開門時間は9:00から17:00までです。訪れる際は、交通アクセスとして近江今津駅からのバスや、東小浜駅から徒歩でのアクセスが便利です。

周辺の観光

周囲には若狭彦神社や若狭姫神社、若狭神宮寺など、歴史的な神社も点在し、多くの観光スポットを楽しむことができます。これらの場所を訪れることにより、福井県の豊かな文化や歴史を深く感じることができるでしょう。

結論

萬徳寺はその歴史や美しい庭園が魅力であり、福井県を訪れる際には必見のスポットです。信仰心を育みながら、豊かな自然と文化財に触れることで、心静まるひとときを過ごせるでしょう。

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