萬福寺 (知立市)

林桂山 萬福寺

萬福寺は、愛知県知立市上重原町に位置する真宗大谷派の寺院で、林桂山という山号を冠しています。名鉄三河線重原駅から徒歩圏内というアクセスの良さも魅力です。

歴史

古代

萬福寺は弘仁6年（815年）に、天台宗の開祖である最澄によって創建されました。創建当時はカツラの木が生い茂る場所に位置していたことから、林桂山という山号が付けられたと伝えられています。

中世

貞永元年（1232年）には、了誓法師によって浄土真宗に改宗されました。本堂には阿弥陀如来像が安置され、貞永年間には、多くの子院や末寺を抱え、広大な寺域を有する大寺として発展しました。

近現代

明治29年（1896年）には、著名な堂宮大工である小野田又蔵の指揮のもと、間口13間の壮大な本堂が建立されました。この本堂は、小野田又蔵の代表作の一つとして知られています。

平成27年（2015年）には、開創1200年を迎え、記念事業として本堂の修復工事が行われました。この修復は、三重県桑名市の小島建設によって行われました。また、池鯉鮒散歩みち協議会が主催する「わくわくウォーキング」の目的地となることもあります。

境内

萬福寺の境内には、歴史を感じさせる様々な建築物や植物があります。

建築物

本堂、山門、鐘楼は、平成27年（2015年）11月17日に国の登録有形文化財に登録されました。

本堂: 明治32年（1899年）に完成した本堂は、その雄大な規模と華やかな意匠が特徴です。2014年には修復工事が行われ、創建当時の姿に近づいています。
山門: 弘化元年（1844年）に建てられた山門は、組物廻りの技巧が凝らされた美しい建築物です。
鐘楼: 文久2年（1862年）に完成した鐘楼は、禅宗様式を基調としつつ、装飾が細部にまで施されています。

植物

境内には、樹齢500年を超えるイブキやソテツなどの貴重な植物が生育しています。

イブキ: 樹齢500年以上のイブキは、樹高約15m、目通り2.6m、根回り2.8mを誇り、西三河地方最大のイブキとして知られています。昭和31年（1956年）5月18日には、愛知県指定文化財（天然記念物）に指定されました。また、知立市最古のイブキとして、知立市指定文化財（天然記念物）にも指定されています。
ソテツ: 庫裏の正面には、樹齢500年と推定されるソテツがあります。文久2年（1862年）に知多郡藤江（現在の東浦町）から移植されたもので、樹高は4m以上、根回りも4m以上あります。
クスノキ: 境内にはクスノキの大木もあります。

かつては「蓮台の松」と呼ばれるクロマツの大木がありましたが、害虫や台風の影響で樹勢が衰え、平成3年（1991年）に伐採されました。

春にはサクラ、初夏にはスイレンが咲き誇り、訪れる人々の目を楽しませてくれます。

脚注

[知立市]]観光協会: [林桂山萬福寺
[知立市]]: [上重原萬福寺の銘木

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