萬蔵寺

萬蔵寺は、岩手県北上市に位置する曹洞宗の寺院で、金峰山を山号としています。特にアジサイ寺として知られ、四季折々の美しい風景が訪れる人々を魅了します。本尊は薬師如来で、この他にも多くの仏像が岩手県の有形文化財に指定されており、歴史的価値も高い寺院です。

文化財

萬蔵寺が所蔵する文化財のうち、以下のものが岩手県指定の有形文化財（彫刻）として登録されています。

木造神像（1954年4月5日指定）
像高108.4cm。桂材を用いた一木造の像です。烏帽子のような冠を被り、両袖を前に合わせた姿は、仏像とも異なる独特の雰囲気を持っています。鎌倉時代の作と推定されますが、平安時代の特徴である豊満な顔立ちや俗人の衣装をまとっている点も興味深いです。
木造薬師如来坐像（1977年4月26日指定）
像高72.0cm。カヤ材を用いた一木造で、萬蔵寺の本尊です。制作は平安時代とされ、鉈彫りという技法で彫られています。細ノミを使用しており、薬壺と膝座は後世に補修されたものです。
木造十一面観音立像2体（1977年4月26日指定）
共にカヤ材の一木造で、作者は不明です。1体は像高173cmで、両腕と頭部の十仏が失われており、10世紀末頃の作と推定されています。もう1体は像高180cmで、左腕を失っています。頂仏と十面菩薩は一木で彫られていますが、面の彫りがなく未完成であると考えられています。制作時期は11世紀頃です。
木造男神立像2体（1977年4月26日指定）
共に桂材の一木造で、平安時代の作です。1体は像高110cmで、大ノミによる鉈彫りの手法が見られます。もう1体は像高155cmで、目がややつり上がり、正面に割れ目があるのが特徴です。
木造女神立像（1977年4月26日指定）
像高52cm。桂材を用いた一木造で、表面は風化が進んでいます。被衣を頭から被り、左手でその垂れ部分を握る姿は、平安貴族の女性を思わせます。平安時代の制作と考えられています。
木造聖観音立像2体（1977年4月26日指定）
共に一木造で、平安時代の作です。1体は桂材で像高117cm、両手首、蓮華、裾から足にかけては後から補修されています。もう1体はカヤ材で像高182cm、両腕両足を失っています。

交通アクセス

公共交通機関: 北上市コミュニティバス「おに丸号」口内線に乗り、「萬蔵寺」バス停で下車します。
自動車: 釜石自動車道江刺田瀬ICから約10分です。

脚注

萬蔵寺は、歴史ある仏像群と美しい自然が調和した、訪れる価値のある寺院です。特にアジサイの季節には、多くの観光客で賑わいます。

関連項目

岩手県指定文化財一覧

外部リンク

萬蔵寺 - 曹洞禅ナビ

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