落ちもの

落ちものとは

「落ちもの」とは、主にアニメ、漫画、ライトノベルなどの物語で用いられる表現手法の一つです。物語の冒頭で、ごく平凡な主人公の前に魅力的な異性が突然現れるという展開を指します。

概要

多くの場合、その異性は主人公と同居することになり、物語が展開していきます。この出会いは偶然であるかのように描かれますが、あたかも「空から落ちてきた」ように発生することから、この名称が用いられています。特徴的な点として、登場する異世界の住人が実際に空から落ちてくるケースが多いことが挙げられます。例えば、宇宙人、神、悪魔、天使、魔法使い、未来人などがその例です。

「落ちもの」は、ボーイ・ミーツ・ガールの派生パターンの一つと見なすことができます。恋愛を基調とする作品や、それに類する要素を含む作品で多く用いられます。

主体性の乏しい主人公が好まれる傾向に合わせて、この手法も頻繁に用いられるようになりました。評論家によれば、ライトノベルにおける典型的な作品として、おかゆまさき氏による『撲殺天使ドクロちゃん』シリーズが挙げられます。

洋泉社のアニメ雑誌『オトナアニメ』では、2011年に「空から美少女が降ってくる!! 落ちものヒロイン超百科!!」という特集記事が組まれ、このテーマに注目が集まりました。

作品例

『オトナアニメ』Vol.19「空から美少女が降ってくる!! 落ちものヒロイン超百科!!」で取り上げられた作品には、以下のようなものがあります。

うる星やつら
侵略!イカ娘
神のみぞ知るセカイ
そらのおとしものf
もっとTo LOVEる -とらぶる-

これらの作品は、「落ちもの」の手法を用いた物語の代表例と言えるでしょう。

参考文献

榎本秋『ライトノベル文学論』NTT出版、2008年。ISBN 978-4757141995
* 大森望、三村美衣『ライトノベル☆めった斬り!』太田出版、2004年。ISBN 978-4872339048

もう一度検索