落合川 (東京都)

落合川（おちあいがわ）

落合川は東京都の荒川水系に属する一級河川で、黒目川の支流の一つです。この川は東京都東久留米市八幡町で湧き出し、埼玉県の神宝町で黒目川に合流します。

概要

この川の流域は1970年代半ばまで、生活排水や畜産廃棄物によって汚染されていました。しかし近年、河川環境が改善され、清流としての姿を取り戻しています。流域にはホトケドジョウやアブラハヤ、タカハヤ、シマドジョウなどの淡水魚が生息し、さらにカワセミも営巣していることが確認されています。また、落合川沿いや河川敷には、ナガエミクリやタコノアシ、ミズニラといった準絶滅危惧種が育っています。

自然環境と遊歩道

川の周辺にはジョギングや散歩ができる遊歩道が整備され、訪れる人々に癒しの場を提供しています。落合川流域には南沢湧水群や竹林公園の湧水など、数多くの湧水が点在しています。このエリアの地質は、関東ローム層が堆積しており、水が浸透しやすい特性を持っています。雨水は地下の礫層を通り、やがて台地の勾配によって湧き出してきます。これこそが落合川流域にみられる湧水のメカニズムです。

南沢湧水群

落合川に流れ込む南沢湧水群は、1日あたり約1万トンの湧水量を誇り、隣接する東京都水道局の給水所からの地下水と混合され、一部は市内の水道水として利用されています。「南沢緑地」は東京の名湧水57選に選ばれており、2008年には「落合川と南沢湧水群」として平成の名水百選に認定されました。この湧水群は多摩地区最大の水量を持つとされ、地域の水環境に重要な役割を果たしています。

流域の文化

流域には氷川神社があり、湧水の守護神として信仰されています。地元の住民にとって、この川はただの水源ではなく、文化的にも重要な存在です。地域活動やイベントも盛んで、多くの人々が自然を楽しむために訪れています。

支流と橋梁

落合川には複数の支流が存在します。弁天川は厳島神社を水源としており、多くの区間が暗渠化されています。立野川とこぶし沢は自然河川として残されており、流域には橋も多数架かっています。代表的な橋には下谷橋、新落合橋、立野橋などがあり、地域の交通に寄与しています。

まとめ

落合川は東京都東久留米市に流れる美しい川で、豊かな自然と文化が息づいています。生物多様性が広がる環境や、訪れる人々が楽しめる遊歩道など、地域の魅力が詰まったこの場所は、多くの人に愛されています。自然を感じる場所を求める方には、ぜひ訪れてほしいスポットです。

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