落語研究会 (落語会)

落語研究会：東京落語界の重鎮、その歴史と伝統

落語研究会は、1905年（明治38年）から続く、東京落語界における歴史ある公演です。単なる商業イベントではなく、落語の芸術性を追求し、後進の育成、寄席文化の向上を理念とする活動体として、今日まで脈々と受け継がれています。落語家にとって、この舞台への出演は名誉あることとされ、高いステータスを象徴しています。

第一次落語研究会 (1905年-1923年)：革新と伝統の狭間で

初代三遊亭圓左ら落語界の重鎮たちが発起人となり、厳格な選抜制を採用した第一次落語研究会は、当時の落語界に新風を吹き込みました。商業主義に染まることなく、落語の芸術性を追求する姿勢は、多くの落語家たちを惹きつけました。参加者には、袴の着用が義務付けられるなど、落語家の身だしなみにも改革をもたらすなど、当時の落語界に大きな影響を与えました。

主な活動内容は落語の研究、後進の育成、そして寄席の改良でした。当時流行していた珍芸を批判し、落語のあるべき姿を提示することで、落語の芸術性の高揚を目指しました。三遊亭圓遊への出演依頼とその後の批判劇など、数々の逸話も残っています。関東大震災により活動は一時中断しました。

第二次落語研究会 (1928年-1944年)：ラジオ中継と東宝ボイコット事件

1928年に再始動した第二次落語研究会は、179回に及ぶ公演を行いました。この時代には、1931年にNHKラジオで中継放送が行われ、寄席でのラジオ中継放送としては歴史的な瞬間となりました。しかし、1935年には東宝との関係で、落語家たちの出演ボイコットという事件が発生しました。東宝が東宝名人会を開始し、人気落語家を多く引き抜いたことが原因でした。一時中断を経て、東宝系の落語家のみ出演するなど、波乱含みの時期もありましたが、その後和解し、活動を継続しました。太平洋戦争によって活動は終止符を打ちました。

戦後復興と新たな展開：第三次、第四次落語研究会

終戦後の1946年には第三次、1948年には第四次落語研究会が開催されました。第三次では、全落語家の結束を重視した運営体制をとりました。しかし、第四次ではギャラの問題から内部衝突が起こり、解散という結果に終わりました。

第五次落語研究会 (1968年 - 現在)：TBSとの連携と現代落語への貢献

1968年から現在まで続く第五次落語研究会は、TBSテレビが主催するイベントとして知られています。落語家は運営に一切関与せず、純粋に出演者として参加する体制をとっています。現在も、TBSテレビ、BS-TBS、CSチャンネルで放送され、人気番組として高い評価を受けています。

長年に渡り、多くの名だたる落語家たちがこの舞台に立ち、現代落語界の発展に大きく貢献してきました。桂歌丸が三遊亭圓朝噺を得意とするようになったのも、落語研究会での鍛錬が大きく影響していると言われています。古典落語の継承と、若手落語家の育成という役割も担い、現代においても東京落語界を代表するイベントとして、その地位を確立しています。 番組では、収録前の静寂な会場の様子から放送されるなど、格式の高さが感じられます。

さまざまな関連企画

落語研究会は、テレビ放送だけでなく、DVDの発売や、過去には映画館での上映会なども行われていました。また、オンライン上での大喜利企画「小噺研究会」なども実施され、幅広い層に落語の魅力を届ける試みを行っています。

まとめ

100年以上にわたる歴史を持つ落語研究会は、単なる落語の興行にとどまらず、日本の伝統芸能である落語の芸術性を追求し、その発展に貢献してきた重要な存在です。これからも、落語界の第一線で活躍する落語家たちの高座と、その魅力を伝える番組として、多くの人々を魅了し続けるでしょう。

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