葉室鐵夫

葉室鉄夫の人生と功績

葉室鉄夫（はむろ てつお）は、1917年9月7日に福岡県福岡市で生まれた日本の競泳選手です。彼は1936年のベルリンオリンピックにおいて200m平泳ぎで金メダルを獲得し、日本の水泳界に名を刻みました。晩年まで大阪府高石市に住み続けました。田舎を離れた後も、彼の故郷への愛情は変わらなかったと言われています。

早期のキャリア

葉室は1935年に福岡県立修猷館高等学校を卒業し、日本大学予科に進学しました。大学時代にはすでに平泳ぎ選手として活躍を見せ、その才能が認められました。1936年のベルリンオリンピックでは、ドイツのエルヴィン・ジータスとの接戦の末に、彼は2分41秒5の五輪記録で金メダルを獲得しました。この決勝戦は歴史的な瞬間であり、アドルフ・ヒトラー自身も観戦していました。表彰式では「君が代」の演奏にヒトラーが立ち、彼に対して敬礼をする姿が記録されています。

国内外での成果

1937年には日本選手権で200m平泳ぎの世界記録を2分40秒4で樹立し、その後も200m平泳ぎで世界ランキング1位を維持しました。1940年に第一線を退くまで、彼はこの種目で数々のタイトルを獲得し続けました。また、1988年に国際水泳殿堂に選ばれたことは、彼の功績をさらに際立たせるものでした。

引退後の活動

葉室は1940年に日本大学経済学部を卒業し、福岡日日新聞社でのキャリアを経た後、1946年には毎日新聞社に入社しました。ここでは運動部の記者として活動し、アメリカンフットボールの甲子園ボウル創設に関与するなどしました。彼は運動部副部長として活躍した後、1972年に退職しました。その後、大阪市にあるサンタマリアスイミング校の校長を務めたり、高石市教育委員として地域貢献に努めました。

晩年と功績

葉室は2005年10月30日、近所のプールから帰宅後に腹痛を訴え、高石市の病院へ搬送されるも、そのまま帰らぬ人となりました。享年88歳で、その死は彼を知る多くの人々に衝撃を与えました。また、彼の死によって戦前の日本のオリンピック金メダリストは全員が鬼籍に入ったことになります。高石市にも貢献しており、名誉市民に選ばれています。2011年には、彼の功績を称えて高石市の健康増進センターに記念コーナーが設けられるなど、彼の業績は現在も語り継がれています。

家族

葉室の妻である葉室三千子も水泳選手として活躍し、マスターズ水泳の世界記録保持者であることから、夫婦二人で水泳界において輝かしい足跡を残しています。葉室鉄夫の人生は、競泳選手としての栄光のみならず、地域社会への貢献と家族との絆を大切にしたものでした。

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