葉山加地邸

葉山加地邸について

神奈川県三浦郡葉山町に佇む葉山加地邸は、建築家・遠藤新が手掛けた傑作として知られています。1928年（昭和3年）に竣工したこの邸宅は、遠藤の設計思想である「全一」を体現しており、建築構造だけでなく、家具や照明器具に至るまで、調和のとれた空間美を創り出しています。その質の高さから、現存する遠藤作品の中でも特に重要なものとされています。

設計者 遠藤新

遠藤新は1889年（明治22年）生まれ。葉山加地邸を設計した39歳頃は、建築家として最も充実した時期でした。自由学園明日館、自由学園目白講堂、旧山邑家住宅、甲子園会館（現：武庫川女子大学甲子園会館）など、数々の名建築を手がけています。これらの作品群は、遠藤の建築に対する深い知識と情熱を示しており、葉山加地邸もまた、その卓越した才能を物語る作品と言えるでしょう。

保存と再生

葉山加地邸は、2016年（平成28年）に加地利夫の孫からヨネヤマが所有権を取得。2020年（令和2年）には、株式会社カミヤアーキテクツと建築家・神谷修平の設計により、修復・改築が行われました。これにより、歴史的価値を保ちながらも、現代的な宿泊施設として新たな命を吹き込まれました。

受賞歴とメディアでの露出

葉山加地邸は、その美しい建築と再生に対する取り組みが評価され、数々の賞を受賞しています。

日本空間デザイン賞 2021
グッドデザイン賞 2021
AACA賞 2021 特別賞
iF-DESIGN AWARD 2022

また、映画『湯道』の企画・脚本を手がけた小山薫堂氏が選ぶ「湯道百選」にも選出。さらに、お客様に選ばれた非日常体験「Otonami AWARD2024」にも選ばれるなど、多方面から注目を集めています。


さらに、数々の映画やドラマのロケ地としても使用されており、その美しい佇まいは多くの人々の目に触れています。

『人間失格 太宰治と3人の女たち』（2019年）
『浮世の画家』（2019年）
『岸辺露伴は動かない』シリーズ（2020年 - 2022年）
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』（2023年）
『和田家の男たち』（2021年）
『優しい音楽〜ティアーズ・イン・ヘブン 天国の君へ』（2022年）
「ラストマン-全盲の捜査官-」（2023年）

その他、スピッツのミュージックビデオや、人気テレビ番組など、様々なメディアで紹介されています。

スピッツ「ときめきpart1」ミュージックビデオ（2023年）
「鶴瓶の家族に乾杯」（2023年）
「じゅん散歩」（2024年）
* フランス高級品メーカーエルメスの香水「バレニア」ローンチイベント（2024年）

まとめ

葉山加地邸は、建築家・遠藤新の思想と技術が詰まった貴重な建築物です。歴史的な価値を持ちながらも、現代的な宿泊施設として生まれ変わり、多くの人々を魅了し続けています。その美しい姿は、今後も様々な形でメディアに登場し、多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

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