葉護可汗

葉護可汗（ようこかがん）

葉護可汗（? - 587年）は、突厥の可汗であり、乙息記可汗の子で、沙鉢略可汗の弟にあたります。「葉護可汗」という名は称号であり、即位前の官位である葉護（ヤブグ：大臣）に由来します。姓は阿史那氏、名は処羅侯（しょらこう）です。

生涯

処羅侯は、突厥において葉護（ヤブグ）という大臣の地位にありました。

隋の開皇7年（587年）に沙鉢略可汗が亡くなると、その遺言により処羅侯が後継者として指名されました。しかし処羅侯は、「木汗可汗以来、弟が後を継ぐことは、先祖の法を失う」として、沙鉢略可汗の子である雍虞閭（ようぐりょ）に可汗位を譲ろうとしました。雍虞閭は「父の遺言である」として固辞しましたが、最終的には処羅侯が葉護可汗として即位し、雍虞閭は葉護となりました。

即位後、葉護可汗は隋に遣使を送り朝貢を行い、隋から旗鼓を賜りました。また、西方の阿波可汗（アパ・カガン）を西征して生け捕るという功績も挙げました。

その後、葉護可汗は再び西征に出ましたが（第一次ペルソ・テュルク戦争）、流れ矢に当たって死去しました。これにより、突厥の人々は葉護であった雍虞閭を頡伽施多那都藍可汗（けっかしせいたなとららかがん）として即位させました。

葉護可汗の短い治世は、突厥の権力構造に変化をもたらし、隋との関係にも影響を与えました。彼の死後、突厥は新たな時代を迎えることになります。

参考資料

* 『隋書』（列伝第四十九 北狄）

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