葛城 (空母)

葛城（かつらぎ）

葛城は大日本帝国海軍に所属する航空母艦で、雲龍型航空母艦の中で3番目の艦です。艦名は奈良県に位置する葛城山に由来しており、過去には明治時代にも同名の艦が存在したことがあります。第二次世界大戦中には実戦での出撃がほとんどなかったものの、戦後には復員輸送の役割を果たし、多くの人を故郷へ戻す手助けをしました。

艦型と特長

葛城は雲龍型航空母艦の特色を持ちながらも、いくつかの配置と設計において異なる点が見られます。対空機銃座は簡素化されており、台形の平面に変更されたほか、艦橋前面のデザインも工事の簡略化に伴って平面化されています。また、主機の生産が遅れた影響で、他の艦で使われていた駆逐艦用の主機を流用し、出力が減少しました。それでも、対空兵器の増設や艦体の改良が施されたことにより、その運用能力が向上しました。

艦歴

葛城の起工は1942年の12月8日に行われ、最初は仮称第五〇〇三号艦として建造されました。約1年後の1944年に正式に「葛城」と命名され、進水は同年の1月19日に行われました。同年10月には艤装が完了し、正式に就役しました。しかし、戦況は厳しく、搭載機と乗組員の不足から作戦活動は行えませんでした。

1945年の春、葛城は呉軍港の空襲で被害を受け、一時は三ツ子島へ退避します。ここでは対空のための擬装が施され、見かけ上、島と一体化するように設計されました。戦後は特殊警備艦に指定され、その後は復員輸送艦として使用されました。主に南方方面への航海を行い、約49,000名の復員者を輸送しました。

戦後の活躍

終戦後の10月20日に除籍された葛城は、連合国による武装解除と調査を経て、復員輸送船としての役割を果たすことになります。特に環境が整っていない出発地や着地点では、乗員は縄梯子を使って復員兵の乗船を手助けしました。約1年間で8回の航海をし、多くの人々を故郷に送り届けました。軍艦としての活動はほとんどなくなったものの、復員輸送という新たな任務に再生を果たしました。

解体

最終的に葛城は1947年の12月に解体のため日立造船桜島工場にて注意深く取り扱われました。これまでの艦歴を経て、葛城は大日本帝国海軍の艦船の一つとして、特に戦争終結後における復員輸送の象徴的存在となりました。艦の艦長たちは葛城の運営を通じて、その艦歴の中でさまざまな役割を果たしましたが、最初の艦長である川畑正治大佐から始まり、戦後も艦に携わった多くの人物が存在しました。葛城はその海での役割を終え、歴史の一部となりました。

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