葛弘基

葛 弘基（カル・ホンギ）

葛 弘基（カル・ホンギ、1906年4月14日-1989年8月25日）は、日本の統治下の朝鮮及びその後の大韓民国において、牧師、政治家、外交官として多岐にわたる業績を残した著名な人物です。彼の日本名は葛城 弘基（かつらぎ ひろき）で、号は想坡（サンパ）です。彼の経歴は、教育の場から始まり、国際的な舞台での活動へと広がっていきました。

幼少期と学びの道

葛弘基は京畿道江華郡に生まれました。彼の父親は私立学校を設立した教員であったため、彼は教育に対する関心を幼いころから抱くことになりました。培材高等普通学校（現在の培材高等学校）を卒業した後、1928年に延禧専門学校（現在の延世大学校）文科大学の文科を修了しました。さらに、アメリカに渡り、ギャレット神学校で神学を学び、1931年には修了。その後、ノースウエスト大学院とシカゴ大学で神学と哲学を学び、1934年にはシカゴ大学で哲学の博士号を取得しました。

教職から政治への道

帰国後、葛弘基は延禧専門学校の教授職に就き、さらに監理教神学校で宗教哲学を教えることになります。しかし、1937年に同友会事件で逮捕され、教授の職を失いました。その後、昌栄教会の初代担任牧師として赴任し、1938年に大東民友会に入会することで大学に復職しました。1943年には日本キリスト教朝鮮監理教団の錬成局長を務め、のちには朝鮮宗教団体戦時報国会でメソジストとしても活動しました。1945年には日本キリスト教朝鮮教団にて宗教教育局長に就任し、当時の政治情勢にも積極的に関与していきました。

大韓民国設立後の活動

大韓民国が樹立された1948年には、淑明女子大学校の教授をつとめ、その翌年には初代公報室長として政府に仕えました。この間、葛弘基は韓日会談の代表や外務部次官、大韓バスケットボール協会長、駐マレーシア大使など、さまざまな重要な役職を歴任しました。1973年にはアスパク社会文化センターの事務局長を務め、また、メディアにも関わり、『対話の世界』の記者やファンド文化館長として活動しました。

晩年と評価

その後、葛弘基はアメリカに渡り、1989年8月25日にカリフォルニア州で死去しました。彼の死後、彼は親日反民族行為者として認定され、その評価は賛否が分かれています。葛弘基は生涯を通じて教育や政治、宗教界において大きな影響を与えた人物であり、その業績は今なお議論の的となっています。

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