葛飾区歌

葛飾区歌と葛飾音頭の概要

東京都葛飾区が制定した「葛飾区歌」と、その音頭である「葛飾音頭」について、これらの成り立ちや背景をご紹介します。これらの楽曲は区民の文化意識を高めるために生まれた重要なものであり、地域の伝統と誇りが込められています。

葛飾区歌

「葛飾区歌」は、1951年（昭和26年）の2月に制定されました。この歌曲は「文化的意識と健全な区民精神の昂揚を図る」という目的で作成されたもので、歌詞は佐々木源三郎、作曲は平井保喜によるものです。

区役所は、当時の高橋佐久松区長や区議会議長、教育委員長など、多様なメンバーを集めて審査委員会を設け、幅広い応募を募りました。結果、区歌には115篇、区民音頭には98篇の応募があり、最終的に両方の楽曲が3月31日に制定されました。この時、葛飾区歌の入選者である佐々木源三郎の名前は、日本コロムビアが製造したSP盤（規格品番：PR979）にはクレジットされず、「葛飾区撰」として扱われています。

区歌のレコードの創唱者には、伊藤久男が名を連ね、再発された1972年のシングル盤（規格品番：PRE-1237）にも同様の内容が収められています。最近では、少年少女合唱団による合唱とピアノ伴奏の形式で収録したCDが発行され、区役所の区政情報コーナーで一般にも販売されています。

この区歌は、区立小・中学校の入学式や卒業式で歌われることが多く、合唱祭や葛飾文化祭の合唱部門でも親しまれています。また、「かつしかはつらつ体操」という健康増進を目的とした運動でも、この区歌がBGMとして使用されています。さらに、2012年に発行された「かつしか郷土かるた」では、歌詞の一節が「く」の項目に採用されています。

葛飾音頭

「葛飾音頭」は、同じく1951年に制定された区民のための音頭であり、作詞は鈴木芳一、作曲は古関裕而によるものです。この楽曲も区歌と同様に、日本コロムビアが制作したSP盤のB面に収録されています。音頭の制作においては、審査委員として名を連ねていた作曲家の小沢直与志がキングレコードに所属していたのにも関わらず、他の選出された音楽家の古関裕而に楽曲制作を依頼した理由は不明です。

2020年には、新しい音頭「令和かつしか音頭」が策定され、作詞は天白慶一、作曲は松丸じゅうぞうによって行われました。これにより、葛飾区の伝統を受け継ぎつつ、新たな形で地域の魅力を発信する試みが続けられています。

まとめ

葛飾区歌と葛飾音頭は、区民の誇りと文化を形にした素晴らしい楽曲です。学校や地域のイベントで歌われることで、区民が一体感を持ち、地域の絆が深まることに寄与しています。今後もこれらの楽曲が地域振興に貢献し続けることを期待しています。

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