葦 (駆逐艦)

駆逐艦葦の概要

駆逐艦葦（あし）は、大日本帝国海軍の樅型駆逐艦の15番艦として知られています。その艦歴は、さまざまな戦争や事故を通じて、多くの歴史的重要な出来事に関与しました。

艦歴

葦の建造は1920年11月15日、神戸の川崎造船所で始まりました。進水は1921年の9月3日に行われ、その後、同年の10月29日に竣工を迎えました。艦船としての活動が始まってからの数年、葦は海軍の一翼を担い、多くの任務に従事しました。特に1927年には、美保関事件において軽巡洋艦「那珂」と衝突事故を起こし、艦は大破しました。この事故は、葦にとって重要な試練であり、その後の修理には舞鶴工作部が関与し、1928年には修復を完了しました。

その後、葦は1937年から1938年にかけての日中戦争に参加し、華北沿岸での作戦に従事しました。この期間、艦は戦争の激動の中で重要な役割を果たし、様々な任務を遂行しました。しかし、1940年2月1日には除籍され、その後雑役船として運用されることとなりました。同年の10月15日からは海軍航海学校付属の練習船として利用されることになりました。

1944年には、別の艦「葦」と区別するために、艦名が第二泊浦（だいにとまりうら）に改称されました。艦は終戦を迎えると、1945年7月11日には横須賀突撃隊の母艦としての役割を果たしましたが、その後、東京湾第二海堡に擱座してしまいます。そして1947年、艦は解体されることとなりました。

艦長一覧

艦の指揮は数名の艦長によってなされ、彼らはそれぞれ異なる時期に艦の指揮を執りました。初代艦長は西尾三郎少佐で、1921年7月20日から艦長を務め、その後1921年10月29日から1922年12月1日までの間、正式に駆逐艦長としての地位にありました。以降、幾人かの艦長がその任に就き、艦の運用を支えてきました。具体的には、横山徳治郎、後藤伝治郎、大島四郎、森友一、須賀彦次郎など、のちの歴史にも名を残す著名な軍人たちが艦の指揮を行いました。

参考文献

葦の歴史を理解するためには、いくつかの重要な資料や文献が存在します。『日本海軍史』や『海軍制度沿革』など、多くの記録が艦の沿革や運用状況を詳細に記しており、この艦の重要性や役割を知るための貴重な情報源となります。特に、海軍省編纂の資料は当時の海軍制度や艦船の設計、運用に関する情報が豊富で、研究者や歴史愛好者にとって必須の参考資料と言えるでしょう。

関連項目

駆逐艦葦に関心を持つ方には、関連する艦艇の一覧や他の駆逐艦に関する情報も興味深いところです。また、艦が活躍した時代背景や、それに関連する事件などに注目することで、当時の日本海軍の実態をより深く理解することができるでしょう。

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