葬尸湖

葬尸湖 (Zuriaake)

葬尸湖（そうしこ）は1998年に山東省済南市で誕生したブラックメタル・バンドであり、Black Happiness Productionsとの契約後に活動を本格化しました。そのサウンドは伝統的なブラックメタルに中国音楽の要素を加えた特異なもので、メンバーが持つ哲学的な視点が色濃く反映されています。

バンドの沿革

葬尸湖は、当初、BloodseaとBloodfireの二人で構成されていましたが、2004年にDeadsphereが加わることで現在の形が整いました。ただし、彼らの歴史はあまり知られていません。『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』によると、葬尸湖は中国で最も長く活動しているメタル・バンドの一つです。

彼らは、中国の初のブラックメタル専門レーベルと契約し、Bloodfireの別プロジェクトとの合作CDもリリースしました。2006年にはデビュー・アルバム『Afterimage of Autumn』を発表し、2015年には『Gu Yan』EPをリリース。その後、同じ年にフルアルバムとして再リリースされました。

2008年から2012年にかけては、Bloodfireの留学によって活動が一時休止していましたが、2017年にはフィンランドでのスティールフェストに出演し、初めて欧州ツアーを行いました。この際、北欧で演奏した初の中国バンドとしても注目を浴びました。さらに、ヨーロッパ全体でのツアーを経て、様々な音楽祭にも参加しています。

音楽スタイル

葬尸湖の音楽は、従来のブラックメタルに中国の音楽要素を織り交ぜたスタイルが特徴です。メンバーは、ブラックメタルが自身の表現を最も適切に行えるジャンルであると考えています。曲にはサブトーンが多く使われ、時には20分を超える長大なものも存在します。

また、伝統的な中国の楽器（木魚やハンドベルなど）も取り入れられており、特に静かなメロディではこれらの楽器が効果を発揮します。歌詞は伝統的な中国詩や神話からインスピレーションを受けており、特に戦国時代の感情的な激しさが強調されています。宗教的なテーマには関与せず、中国の哲学や歴史を重視している点が印象的です。

ステージパフォーマンス

コンサートでは、視覚的な演出にもこだわりが見られます。バンドメンバーは農民風の衣装や斗笠を身にまとい、古の釣り人の装いを呈しています。これにより、彼らの音楽の背景を反映させるだけでなく、聴衆との一体感を醸し出しています。ステージセットには伝統的なランタンや木の枝も工夫されており、雰囲気を一層高めています。

また、メンバーはコープス・ペイントを使用せず、演奏後には必ず敬意を表してお辞儀や手の仕草を行います。

バンド名と作品

バンド名「葬尸湖」は、象徴的な意味を持ち、中国の古典文学へのオマージュを表現しています。彼らの音楽作品には、数多くのリリースがあり、特に『Afterimage of Autumn』や『Gu Yan』は評価が高くなっています。これまでに、数々の限定版やライブアルバムを手がけ、さらなるファン層を広げています。

葬尸湖は、そのユニークな音楽スタイルや演出により、中国及び国際的な音楽シーンで確固たる地位を築きつつあります。

もう一度検索