葵 徳川三代

『葵 徳川三代』

『葵 徳川三代』（あおい とくがわさんだい）は、2000年1月9日から12月17日まで放送された、NHKの第39作目の大河ドラマです。この作品は、徳川家への権力集中の過程を描き、特に家康、秀忠、家光という三代の生活や葛藤を中心に展開されました。

番組の概要

1998年4月、NHKは「2000年の大河ドラマは『葵 徳川三代』である」と発表しました。この発表の速さは異例であり、当時のNHK会長は、初のハイビジョン大河ドラマとして早めの準備が必要だったと述べています。ドラマは、関ヶ原の戦いから始まり、江戸幕府の確立へと続く歴史的出来事を背景にしています。特に、戦国時代の雰囲気を持ちながら、政治劇としての色合いが強まる中で、登場人物たちの人間模様が描かれています。

第1回目は、関ヶ原の戦いを中心に据えた「総括関ヶ原」として構成され、その後のエピソードでは、歴史的事件を振り返る形で物語が展開されます。この作品は、映画並みの制作費がかけられた迫力ある甲冑や戦闘シーンが特徴です。また、CGを駆使した演出や、全編ハイビジョンでの撮影も珍しい試みでした。

キャラクターと演技

ドラマの主人公には徳川家康が初めに設定されていますが、物語が進むにつれて家光が注目を集めます。家康は短気で神経質な性格が強調されながらも、家族愛にあふれる姿が描かれ、秀忠は恐妻家の一面を持つキャラクターとして表現されています。

主演は津川雅彦氏が家康役を、西田敏行氏が秀忠役を務める他、岩下志麻や樹木希林など多彩な俳優陣がキャスティングされています。特に、演技力に富んだベテランたちの存在がドラマに重厚感を持たせました。

また、興味深い点として、光圀の与力である「助さん・格さん」を女性が演じたことがあります。これは武士の骨格が変化したことを表現したものですが、これに関する脚本家のジェームス三木の意図も評価されました。

音楽と映像

音楽は岩代太郎氏が手がけ、テーマ曲「Time Of Destiny」は高く評価されました。オープニング映像は戦のシーンは少なく、四季の風景を通じて時の移り変わりを感じさせるものでした。日本各地の名所名跡が美しく撮影される中で、視聴者は歴史の中に浸ることができました。

放送と反響

このドラマは、1年にわたって毎週放送され、全国的に高い視聴率を記録しました。特にその制作のスケールや演技、ストーリー展開が視聴者の話題を集めました。さらに、地元の静岡市や岡崎市などでは、ドラマ放送に合わせて観光イベントが開催されるなど、地域振興にも大きく寄与しました。

まとめ

『葵 徳川三代』は、単なる歴史ドラマを超え、多くの人々に愛された作品となりました。その背景にある歴史的事件や登場人物たちの人間模様は、視聴者に強い印象を与え、今なお語り継がれています。後の大河ドラマ作品にも影響を与えたオリジナリティと工夫は、今後も長く記憶されるでしょう。

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