蒲原鉄道モハ31形電車

蒲原鉄道モハ31形電車の概要

蒲原鉄道モハ31形電車は、かつて新潟県で運行されていた蒲原鉄道の電車であり、1952年に新たに製造されました。この電車は、戦後の混乱期を経て老朽化したデ1形電動車の代替車両として作られたものであり、蒲原鉄道線にとって初の新型車両となる重要な存在でした。

1. 歴史的背景

蒲原鉄道線は1923年に開通し、初めての電動車として木造四軸ボギーのデ1形が投入されました。しかし、戦争の影響やその後の使用によってデ1形は老朽化が進み、早急な代替が求められる状況となりました。このため、従来の機器を再利用しながら新たに車体を製作する形でモハ31形が登場しました。

モハ31形は書類上では改造名義で登記されましたが、実際には旧デ1形から転用された機器が使われました。特に、車体と台車の組み合わせが問題となり、負荷が耐えられる台車を選定する必要がありました。結果的に、モハ31と同じく新製されたモハ41形も同様の手法で製造されました。

2. 車両の仕様

モハ31形とモハ41形は、全長15,150mmの半鋼製車体を特徴とし、車体の大部分には普通鋼が使用されていました。前面は平妻形状で、湘南型デザインを取り入れた2枚窓の構造です。特に、左側の窓は開閉可能な二段窓仕様になっています。

側面には片開きの客用扉があり、窓は二段上昇式となっていました。モハ31の内部はロングシートであったのに対し、モハ41はボックスシートを導入しており、これにより定員も異なる結果となりました。モハ31が104人（座席は44人）、モハ41は100人（座席は48人）の定員を持っていました。

3. 機器と技術

電動機や制御装置としては、従来の車両の流用品が使用されています。具体的には、主制御器が直接制御方式から間接制御方式に改造され、運転台に主幹制御器が設置されたことにより、より効率的な運行が可能となりました。

また、モハ31形とモハ41形共に搭載していた主電動機は、東洋電機製造によるもので、吊り掛け式の駆動方式を採用しています。これにより、安定した走行性能が実現されました。台車にもこだわりがあり、モハ31はボールドウィン社設計のものを使用し、モハ41形は別の設計の台車が搭載されていました。

4. 変遷と影響

モハ31形とモハ41形は、運行開始から数十年にわたり蒲原鉄道線の主力車両として活躍し、両車両ともに1999年の全線廃止まで在籍しました。この間、モハ41は車体延長改造を受け、モハ31は修繕工事を経て新しい技術が導入されました。

特に、1980年代にはワンマン運転に対応した改造が施され、時代の変化に適応していました。廃線後はモハ31は解体され、モハ41は五泉市に静態保存されています。

結論

蒲原鉄道モハ31形電車は、地域の公共交通機関の一端を担い続けた歴史的な車両であり、その製造背景や運用に至るまでの経緯には、鉄道の発展と地域とのつながりを感じることができます。

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