蒲郡みかん

蒲郡みかん：太陽と海が育む愛知の味

蒲郡みかんは、愛知県蒲郡市を中心に栽培されているウンシュウミカンです。JA蒲郡市の組合員によって丹精込めて育てられています。温暖な気候と三河湾に面した地形がみかん栽培に適しており、蒲郡市の代表的な産業となっています。

通年出荷を可能にする栽培方法

蒲郡みかんには、温室で栽培される「蒲郡温室みかん」と、露地で栽培される「蒲郡みかん」の2種類があります。温室みかんは夏の高級果実として人気が高く、露地みかんと組み合わせることで、ほぼ一年を通して市場に出荷できる体制を整えています。

蒲郡みかんの歴史

蒲郡市におけるみかん栽培の歴史は古く、17世紀後半にはすでに栽培の記録が残っています。近代的な栽培は、幡豆町から導入された「唐みかん」が始まりとされています。その後、ウンシュウミカンの栽培が広まり、「西郡みかん」や「神ノ郷みかん」として親しまれてきました。

明治時代には、小学校の校章にみかんの花や葉が用いられたり、農学校が開校するなど、地域を挙げてみかん栽培を奨励しました。昭和初期には、みかんの統一出荷が開始され、共同選果場が設けられるなど、品質向上と販路拡大に力が入れられました。

戦後、蒲郡みかんは、共同出荷体制の確立や品質管理の徹底により、全国的なブランドとして確立されました。1970年代には、温室栽培が導入され、新たな販路を開拓しました。近年では、地域団体商標にも登録され、ブランド力の強化を図っています。

蒲郡みかんの特徴

蒲郡温室みかんは、宮川早生という品種に統一されており、高い糖度と程よい酸味が特徴です。地中冷却栽培法を導入することで、4月から10月まで出荷が可能です。徹底した品質管理により、市場での評価も高く、全国平均を上回る価格で取引されています。

露地みかんは、新品種や新しい栽培方法の導入により、品質向上に努めています。糖度12度以上の早生みかんは「箱入娘」として出荷され、高級ブランドとして人気を集めています。

多様な品種とブランド

蒲郡みかんには、様々な品種とブランドがあります。

温室みかん（4月上旬 - 10月上旬）
グリーン温室みかん（8月中旬 - 9月中旬）
露地みかん（10月中旬 - 3月中旬）
蒲郡「はるみ」（1月下旬 - 3月上旬）
青島みかん「蔵出」（1月 - 3月）
早生みかん「箱入娘」（11月下旬 - 12月中旬）
* 早生みかん「おてんば娘」（11月下旬 - 12月中旬）

これらの品種は、それぞれ異なる特徴を持ち、様々な味わいを楽しむことができます。

蒲郡みかんのこれから

蒲郡みかんは、長年の歴史と生産者の努力により、愛知県を代表する特産品としての地位を確立しました。これからも、品質向上やブランド力の強化に取り組み、全国の消費者に美味しいみかんを届け続けることでしょう。

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