蕭偉

蕭偉（しょう い）

蕭偉（476年 - 533年）は、南朝梁の皇族であり、南平元襄王。武帝蕭衍の実弟として、その治世を支えた人物です。字は文達。

生涯

蕭偉は、蕭順之の八男として生まれました。母は陳氏（後の陳太妃）。幼い頃から学問を好み、斉の時代に晋安鎮北法曹行参軍として官吏の道を歩み始めます。兄である蕭衍が雍州刺史となると、蕭偉は始興王蕭憺と共に襄陽に迎えられました。

蕭衍が兵を挙げると、蕭偉は冠軍将軍に任じられ、雍州の州府の留守を 맡게 됩니다. 蕭衍の出立後、魏興郡太守の裴師仁と斉興郡太守の顔僧都が反旗を翻し、雍州を襲撃しようと企てました。しかし、蕭偉は始興王蕭憺と協力して軍を派遣し、始平郡で裴師仁らを打ち破り、その野望を阻止しました。

蕭衍が建康を包囲する中、巴東郡太守の蕭慧訓の子である蕭璝と巴西郡太守の魯休烈が挙兵し、荊州に迫りました。蕭穎冑は劉孝慶らを派遣してこれを阻もうとしましたが、蕭璝に敗北。さらに蕭穎冑が急死したため、荊州の和帝政権は危機に瀕しました。蕭偉は、夏侯詳の進言に従い、雍州で兵を徴募し、始興王蕭憺を荊州の援軍として派遣しました。蕭憺が荊州に到着すると、蕭璝らは遂に降伏し、荊州の危機は回避されました。この功績により、蕭偉は和帝から使持節・都督雍梁南北秦四州郢州之竟陵司州之隨郡諸軍事・寧蛮校尉・雍州刺史に任じられました。その後、侍中を加えられ、鎮北将軍に進みました。

天監元年（502年）、梁が建国されると、蕭偉は散騎常侍の位を加えられ、建安郡王に封じられました。天監4年（505年）には、都督南徐州諸軍事・南徐州刺史に転じ、地方の統治を担いました。天監5年（506年）には、建康に召還され、撫軍将軍・丹陽尹に任じられました。翌天監6年（507年）には、使持節・都督揚南徐二州諸軍事・右軍将軍・揚州刺史に転じましたが、実際に赴任する前に、中権将軍に進みました。天監7年（508年）には、病のために州の任を解かれ、侍中・中撫軍となり、知司徒事を務めました。天監9年（510年）には、護軍・領石頭戍事に転じ、同年中に使持節・散騎常侍・都督江州諸軍事・鎮南将軍・江州刺史として再び地方へ赴任しました。天監11年（512年）には、開府儀同三司の位を加えられ、その功績を称えられました。天監12年（513年）には、召還されて撫軍将軍となりましたが、病のため辞退しました。天監13年（514年）には、左光禄大夫に任じられ、天監17年（518年）には、南平郡王に改封されました。普通5年（524年）には、鎮衛大将軍に進み、中大通元年（529年）には、本官のまま太子太傅を兼任しました。中大通4年（532年）には、中書令・大司馬に転じ、朝政の中枢を担いました。

中大通5年3月丙辰（533年5月7日）、蕭偉は58歳で亡くなりました。その功績を偲び、侍中・太宰の位が追贈され、元襄と諡されました。

子女

蕭恪（後嗣）
蕭恭
蕭虔
蕭祗

伝記資料

『梁書』巻22 列伝第16
『南史』巻52 列伝第42

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