蕭鎡

蕭鎡（しょう し、生年不詳 - 1464年）は、明代に活躍した官僚であり、字を孟勤と称しました。彼の出身は吉安府泰和県です。

蕭鎡は1427年（宣徳2年）に進士に及第し、その才能を早くから示しました。1433年（宣徳8年）、宣徳帝の命により、楊溥が3科の進士から28人を選抜し、翰林院庶吉士とした際、蕭鎡はその筆頭に選ばれるという栄誉に浴しました。これは、彼の学識と能力が非常に高く評価されていたことを示しています。1435年（宣徳10年）に英宗が即位すると、蕭鎡は翰林院編修に任じられ、さらに1438年（正統3年）には翰林院侍読へと昇進しました。彼は着実にキャリアを積み重ね、その実力を官界で認められていきました。

1447年（正統12年）、蕭鎡は李時勉の後任として国子監祭酒に任命されました。国子監祭酒は、国の教育機関の長であり、その責任は非常に重いものでした。1450年（景泰元年）、蕭鎡は老病を理由に辞職を願い出ますが、国子監の学生たちが彼の留任を強く求めたため、景泰帝はこれを認め、蕭鎡は祭酒の職に留まることになりました。同年9月には、経筵官も兼任し、皇帝に学問を教授する役割も担いました。1451年（景泰2年）12月には、祭酒の職務を続けながら翰林院学士を兼任し、侍郎の王一寧と共に文淵閣に入って宿直するという重要な任務にも従事しました。1452年（景泰3年）2月、翰林院学士を兼任したまま、戸部右侍郎に昇進しました。

この時期、皇太子を朱見深から朱見済に交代させるという議論が持ち上がりました。蕭鎡は皇太子の交代に反対しましたが、彼の意見は聞き入れられませんでした。4月には、太子少師の位を加えられましたが、彼の立場は必ずしも安定したものではありませんでした。1456年（景泰7年）5月には戸部尚書に進みましたが、間もなく景泰帝が病床に臥せるようになり、朝臣たちは朱見深を皇太子位に復位させようと動き始めました。李賢がこの件について蕭鎡に意見を求めた際、蕭鎡は皇太子の復位に反対する意見を表明しました。しかし、1457年（天順元年）1月に英宗が復位すると、蕭鎡は官籍を剥奪され、民間に下ることとなりました。これは、彼の意見が政治的な流れに逆らった結果でした。1464年（天順8年）、蕭鎡は生涯を終えました。

蕭鎡は文人としても才能を発揮し、『文集』20巻と『詩』10巻を著しました。これらの著作は、彼の学識と文才を示す貴重な遺産となっています。彼の生涯は、明代の官僚としての栄光と挫折、そして文人としての才能が織りなす複雑なものであったと言えるでしょう。

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