薬ヒグチ&ファーマライズ

薬ヒグチ：進化を続けるドラッグストアチェーン

薬ヒグチは、ファーマライズ株式会社が運営する、全国8都道府県に展開するドラッグストアおよび調剤薬局チェーンです。黄色い鳥のロゴが目印として親しまれています。創業から現在に至るまで、数々の変遷を経て、日本のドラッグストア業界において重要な位置を占めてきました。

創業から成長期へ

1947年、樋口俊夫氏によって大阪・京橋で薬局が開業。その後、1953年にヒグチ産業株式会社を設立し、1961年には「薬ヒグチ」が誕生しました。1970年代から1980年代にかけては、創業者の樋口俊夫氏がゾウに乗り「目標、1327店！」と宣言するインパクトのあるテレビCMを放映。このCMは、当時の人々の記憶に強く刻まれています。積極的な出店戦略により、最盛期には約500店舗まで規模を拡大。特に関西地区の駅前商店街や市場への出店は目覚ましく、地域社会に密着した展開を図りました。

薬ヒグチは、医薬品販売を主な事業とする一方、配置薬の取り扱い、さらには1980年代には旅行会社「ヒグチトラベル」や写真現像・プリント店「ヒグチカラー」など、多角的な事業展開も積極的に行っていました。

競争激化と事業再編

しかし、時代とともに小売業界を取り巻く環境は変化しました。量販店との競争激化や、商店街の衰退などにより、薬ヒグチも事業再編を余儀なくされます。従来の小型店舗の閉店や統合を進めながら、都市型大型店舗や調剤併設店舗への出店を推進。スクラップアンドビルド戦略によって、競争力の強化を図りました。

2010年にはコンビニエンスストアのポプラとフランチャイズ契約を締結し、「ポプラ+薬ヒグチ」をオープン。さらに2012年にはファミリーマートとのフランチャイズ契約締結により、「ファミリーマート+薬ヒグチ」を展開開始。コンビニとドラッグストアを融合した新たなビジネスモデルによって、顧客への利便性を高める取り組みを進めています。これらの融合店舗は、首都圏や京阪神を中心に展開されています。

2015年には、大きな転換期を迎えます。ヒグチ産業株式会社は、ドラッグストア事業をファミリーマートとファーマライズホールディングス株式会社（調剤薬局大手）との三社共同出資による新会社、薬ヒグチ＆ファーマライズ株式会社に譲渡。ヒグチ産業株式会社には不動産部門のみが残りました。そして2019年には、薬ヒグチ＆ファーマライズ株式会社はファーマライズ株式会社に吸収合併され、薬ヒグチはファーマライズ株式会社のドラッグストア部門となりました。

現在と未来

現在、薬ヒグチはファーマライズ株式会社傘下で、都市型大型店舗や調剤併設店舗を中心に事業を展開しています。長年にわたる経験と実績を活かしつつ、時代のニーズに対応した進化を続けています。コンビニとの融合店舗も展開し、顧客の利便性向上を目指した取り組みは、今後の展開においても重要な要素となるでしょう。常に変化する市場環境の中で、薬ヒグチはどのように進化し、顧客に選ばれ続ける存在であり続けるのか、注目が集まります。

もう一度検索