薬品営業並薬品取扱規則

薬品営業並薬品取扱規則の概要

「薬品営業並薬品取扱規則」（やくひんえいぎょうならびやくひんとりあつかいきそく）は、日本で初めて医薬品の取り扱いに関する法律として1889年3月16日に公布され、1890年3月1日から施行されました。この法律は一般に「薬律」と呼ばれており、現代の薬事法の基礎を築く重要な役割を果たしました。

薬律の歴史

医薬品と人々の生活は密接に関連しているため、医薬に関する規制は古くから存在しましたが、近代的な法律が整備されたのは明治時代に入ってからです。「薬律」の成立以前にも、明治7年には「医制」がありましたが、これを経て1890年に「薬律」が誕生しました。1943年、戦時中に新たに制定された薬事法（昭和18年法律第48号）を経て、1948年にはさらに改正された薬事法が施行され、最終的には1960年に現行の薬事法（昭和35年法律第145号）が公布され、これが現在の医薬品規制に至るまでの約70年間の法制史となっています。

薬律の内容

薬律が定めた主な内容の一つは、従来使われていた「薬舗」や「薬舗主」という用語を廃止し、新たに「薬局」や「薬剤師」、さらには「薬種商」といった用語を定義しました。この法律では医薬品販売業者を「薬種商」とし、例えば"薬種商トハ薬品ノ販売ヲ為ス者ヲ言フ"という規定が設けられていました。また、薬種商は地方庁から免許を受けることが義務付けられていました。

その後、薬律は何度か改正を受け、1943年に新たに制定された薬事法では「薬種商」という名称が廃止され、新たに「医薬品販売業者」と呼ばれることになりました。更に、医薬品販売業者は厚生大臣が指定する医薬品を扱える者、全ての医薬品を扱える者、限定された品目だけを扱う者という3つの業者区分（1号業者、2号業者、3号業者）に分けられるようになりました。

薬事法の進化

1948年の薬事法の全面改正は、新たな取り決めをもたらしましたが、基本的には1943年の薬事法の枠組みを受け継いでいます。1960年には現行の薬事法が施行され、医薬品販売業者の名称が変更されたものの、基本的な取扱いや規制に大幅な変更はなく、従来の制度が継承されました。また、薬局や一般販売業の薬剤師に関する規制について、1963年には改正が行われ、薬局や販売業の適正配置に関する一部修正も加えられました。

なお、適正配置に関する規制は1975年に最高裁によって憲法違反とされ、同年6月の改正によりその規定は失効しました。これらの歴史を通じて、薬品営業並薬品取扱規則は、日本の医薬品販売と取り扱いにおいて、基盤となる法律としての役割を果たし続けています。

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