薮内威佐夫

薮内威佐夫

薮内威佐夫（やぶうち いさお、1936年4月 - ）は、昭和時代に活躍した人物。元プロ野球選手であり、後にヤクザの世界へ足を踏み入れたという異色の経歴を持つ。

プロ野球選手時代

広島県呉市出身の薮内は、幼少の頃から野球に打ち込み、呉港高等学校に進学。しかし、高校時代には決闘事件に関与し、学校が出場停止処分を受けるという事態に。それでも野球への情熱は失わず、1954年に南海ホークス（現在の福岡ソフトバンクホークス）にスカウトされ入団を果たす。当時の南海ホークスは、同じ呉市出身の鶴岡一人が監督を務め、広瀬叔功が同期、野村克也が一学年上という環境だった。

背番号は7番。二軍戦では試合に出場する機会を得たものの、素行不良が原因で自由契約となり、プロ野球選手としてのキャリアは短期間で幕を閉じた。

ヤクザとしての人生

帰郷後、薮内は美能組に加入し、広島抗争と呼ばれる激しい抗争事件に身を投じる。1963年には、美能組組長が収監されたことを受け、若頭として組を切り盛りする。その姿は、映画『仁義なき戦い 完結篇』に登場する氏家厚司というキャラクターのモデルになった。

1970年9月、組長が出所。その後、波谷守之の尽力により、組長が引退し、1971年1月、薮内が二代目美能組組長に就任。同時に、三代目共政会に副会長として迎え入れられた。沖本勲が四代目会長を務めた時代には、共政会最高顧問として組織を支えた。

関連作品

薮内の人生を題材にした作品として、映画『仁義なき戦い 完結篇』（1974年、東映）がある。伊吹吾郎が演じる氏家厚司は、薮内をモデルとしたキャラクターである。

参考文献

本堂淳一郎／実話時代編集部『「戦場」の侠たち 追悼親分交友録 ー今は亡き親分衆13人への鎮魂歌ー』メディアボーイ〈サンワMOOK―ウラ社会読本シリーズ〉、2002年10月。ISBN 978-4883569281。

関連項目

福岡ソフトバンクホークスの選手一覧

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