藤代冥砂

藤代冥砂（ふじしろ めいさ）

藤代冥砂は、1967年8月8日に千葉県船橋市で生まれた日本の写真家で、妻はモデルの田辺あゆみです。彼の経歴は多岐にわたり、写真界の中で特に著名な存在となっています。彼は明治大学商学部を卒業後、五味彬氏やドイツの写真家ヨーガン・テーラーのアシスタントを務め、1990年には24歳でフリーランスの写真家としての道を歩み始めました。

藤代のキャリアの初期には、音楽に関する仕事がありました。特にMr.Childrenのミリオンシングル「クロスロード」や「イノセントワールド」を手掛け、これらの作品で彼の名が広まりました。その後、1995年から1997年にかけて世界一周の旅に出かけ、帰国後はファッションや広告の分野でも活躍を続けました。

1999年には、自らの旅を題材にした初の写真集「ライドライドライド」を発表します。この作品は、一部で「自分探しの旅」とは異なるアプローチで、旅と恋愛をテーマにしたため、多くの支持を受けました。藤代はその後、グラビア写真へも進出し、広末涼子の20歳を祝った写真集「広末、はたち」を皮切りに、数多くのアイドルや女優を被写体にした約80冊の写真集を発表するに至ります。

特に、彼の撮影による週刊朝日の表紙は、7年間にわたって続き、多くの読者に高い評価を受けました。2003年、藤代は「新潮ムック月刊シリーズ」で講談社出版文化賞写真賞を受賞し、これにより彼の作品はさらなる注目を集めました。同年には雑誌SWITCHでの活動を始め、小説家としてもデビューします。代表作には「クレーターと巨乳」や「ドライブ」などがあります。

2005年には葉山に移住し、家族の日常を記録したエッセイ集「もう、家に帰ろう」がヒット。続編にあたる「もう、家に帰ろう２」も発表され、日常の温かさを描写した作品として人気を博しました。また、南米では30人のヌードを撮影した「肉」を手掛け、デザイン面でも評価され、ADC賞を受賞しました。

2011年に沖縄へ移住した後は、主夫として子育てに専念しつつ、農的生活を試みるなど、新たな生活環境に適応していきました。自らの創作活動はしばらくの間お休みし、タイやインドでのヒーリングを学ぶ期間を経て、2016年に「SKETCHES OF TOKYO」で再び写真家として活動を再開します。また、自身初の風景写真集「あおあお」を発表するなど、創作の幅を広げています。

藤代冥砂は、過去の数十年にわたり、数多くのジャンルで優れた作品を生み出してきた日本の重要な写真家の一人であり、その作品は多くの人々に影響を与え続けています。

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