藤倉珊

藤倉珊について

藤倉珊（ふじくら さん）は、日本のエンジニアであり、アマチュアライターでもあります。元々「と学会」の副会長として知られ、現在は運営委員を務めています。彼の活動は、主にSFファンの領域に根ざしており、その独特の視点と批評活動が注目されています。

来歴

藤倉はSFファン活動を通じて、さまざまな著作を手に取る中で、明治・大正の「奇書」に似た本が昭和や平成の時代にも新たに刊行されていることに気付くようになります。この発見から、彼は余桁分彌（よけた ぶんや）というペンネームで一連のエッセイを発表し、「トンデモ本」という独特の概念を提案しました。このエッセイは、後に藤倉の1989年の著作に収められ、多くのファンから支持を受ける結果となります。2021年7月には、日本SF作家クラブの会員に加わり、その活動の幅を広げました。

特徴とエピソード

彼の著書『日本SFごでん誤伝』は、「余桁分彌というペンネームは、どうにかしてほしい」と、本家の横田順彌にも評価されるほどの作品で、その結果としてほぼ公認ともいえる作品に仕上がっています。藤倉は「藤倉珊」というペンネームを選びましたが、その名の由来については「藤田田」という実業家の名前の影響を受け、一見分かりづらい印象を与えるようにしたとのこと。ただし、何故「珊」という文字を選んだのかは、自身でも記憶が不明とのことです。

と学会でのイラストについては、彼の似顔絵が特にカッコよく描かれた理由は、クレームが多かったためであり、いわゆる「ごね得」とも言われています。彼はと学会の成立当初の「トンデモ本」を取り上げる姿勢に疑問を持ち、さらにオカルト批判を進める中で、自身がオカルト批判者としての立場を自然と感じるようになりました。そのため、かつては取り扱う意義を感じにくくなる瞬間もあったものの、好意的な書評が多い作品にも自身が抱く違和感から再び原稿を書くことに復帰しました。

他の会員とは異なり、藤倉は激しい批評を展開することが多く、斎藤貴男の『カルト資本主義』に関する意見もその一例です。彼は、他の書評とはまったく違うスタイルで、斎藤に対する個人批判を展開しましたが、これには誤記や誤解を伴う場面もありました。このような彼の姿勢は批評活動の中でも際立っており、SFの枠を超えた幅広い視野を持っています。彼はまた、江本勝の『水からの伝言』シリーズにおいて結晶の写真に関する論争に巻き込まれたりもしました。

主な著書

藤倉の著作は独自の色合いを持っており、さまざまな同人誌に寄稿しています。その中でも特に著名なのは『日本SFごでん誤伝』や『マッドサイエンティスト入門　その傾向と対策』などです。また、共著としてもいくつかのトンデモ本関連作品に名を連ねています。

彼の作品は、SFの領域に限らず、多くのジャンルにわたる広範な批評と洞察を提供しており、SFファンの心を捉え続けています。これからの彼の活動にも目が離せません。

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