トンデモ本

トンデモ本とは？

トンデモ本（トンデモぼん）とは、藤倉珊が「余桁分彌（よけた ぶんや）」という名義で発表した一連のエッセイによって提唱された、特異な書籍の概念を指します。一般的に、著者の意図とは異なる独特な視点から楽しむことができる書籍として理解されており、やがてこれが疑似[[科学]]的な評価を受けるようになりました。特に、怪しい陰謀論やオ[[カルト]]的な論調を持ち、時には単に理にかなっていない、つまり「とんでもない」内容が含まれている場合に「トンデモ本」と呼ばれます。

この言葉は1992年に設立された「と学会」において広く認識されるようになり、同学会のエンブレムには「THE ACADEMY OF OUTRAGEOUS BOOKS」という言葉が掲げられています。主に、トンデモ本とされる書籍には、科学的根拠がない主張や誤った情報が含まれていることが多く、しばしば挑戦的で楽しめる内容でもあります。

トンデモ本の選定基準

と学会は1992年から2016年までの間、日本トンデモ本大賞を選定してきました。この際の公式見解として「トンデモの存在は自由な社会の証明である」としていますが、その一方で「著者の思想や内容に倫理的な問題がある書籍はノミネートしない」という立場を取っています。例えば、人の不幸を前世の悪行と結び付けるような主張や、誤った育児法を提唱し、赤ちゃんが命を落とすという事態を引き起こしたような著作は、トンデモ本として扱われることはありません。

トンデモ本の特徴

トンデモ本の特徴は、一切の証拠に基づかない仮説を根拠に、非常に飛躍した論理で主張を展開する点にあります。具体的には、UFOや超能力、超常現象、さらにはユダヤ人に関する陰謀論などがそれに該当します。これらの無根拠な主張が繰り返される背景には、と学会のメンバーが自身の観察対象を「トンデモさん」と名付け、その論理を「トンデモ説」と呼ぶ文化があります。

ただし、この言葉はオ[[カルト]]や疑似[[科学]]に限らず、無秩序な考証によるフィクションも含まれる場合があります。著名な作家の小説作品、例えば門田泰明の『黒豹スペース・コンバット』、志茂田景樹の『戦国の長嶋巨人軍』や大藪春彦の『餓狼の弾痕』などが、どの部分が「荒唐無稽」であり「小説として破綻している」とされるかで、トンデモ本とされることもあります。

結論

このように、トンデモ本という概念は単なるエンターテインメントの一部であるだけではなく、現代社会における情報の信憑性や倫理観を問い直す契機とも言えます。私たちが読む本の内容を注意深く考察し、どのような視点から楽しむかは、豊かな読書体験をもたらしつつあるのかもしれません。

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