藤内金吾

藤内金吾の生涯と将棋界への影響

藤内金吾（ふじうち きんご）は、1893年3月20日に愛媛県松山市で生まれた将棋棋士であり、八段に昇格するなど将棋界で多大な影響を与えた人物です。彼は生涯を通じて将棋に情熱を注ぎ、将棋界の発展に寄与しました。

経歴の始まり

松山を離れた藤内は、大阪で丁稚奉公の生活を経て、メリヤス業を始めます。この実業家としての経験は彼の将棋人生にも影響を与えました。26歳の時に著名な棋士坂田三吉に入門し、将棋の道を歩み始めました。1920年には四段、1923年には五段に昇進し、その後も順調に昇段を重ねましたが、当時は実業家としての業務が主な活動でありました。

39歳になるまで本格的に棋士としてのキャリアを追求しなかった藤内は、1932年に六段に昇格。将棋界での活動を本格化させ、1951年には引退の決断を下します。

引退後の活動

引退後の藤内は、昭和27年に神戸市三宮で将棋道場を開設し、アマチュアへの将棋普及に努めました。この道場には多くの将棋ファンが集まり、後に著名な棋士となる内藤國雄も弟子として通っていました。内藤との関係は非常に深く、実の親子以上の絆があったとされています。内藤が初めて上京する際には、藤内が同行し、さらには将棋の遊びを教えたりと、実践的な指導も行いました。

内藤の出世を考え、将来は有名な棋士の升田幸三に預けることも考えたほど、藤内は弟子に対して情熱をもって接していました。また、内藤が四段となった1959年には、後援会を設立し、将棋会を開くなど、内藤の活動を応援し続けました。

藤内金吾の功績と評価

1964年には棋界功労者として表彰され、七段の位を贈られました。藤内はその生涯を通じて、将棋界への貢献を止めることなく、多くの後進を育てました。彼の造った将棋道場は「神戸組」と称され、内部では多くの棋士が育成されました。

1968年2月11日、藤内は膀胱癌により亡くなりましたが、没日7日前には八段の位を贈られ、その生涯を評価されました。享年75という短い生涯でしたが、彼の名前は将棋界に今なお生き続けています。

内藤國雄との絆

内藤と藤内の強い絆は特筆すべきものであり、内藤は初めて藤内の道場に通ったことで、将棋の楽しさや奥深さを知ることになりました。このような師弟関係は将棋界において非常に重要なもので、藤内の指導が内藤を成功へと導いたのです。内藤は藤内の教えを受け続け、後に弟子の藤内忍を持つなど、藤内の影響は世代を超えて広がっています。

藤内金吾は、将棋だけでなく、彼自身の人間性と熱意によって多くの人々に影響を与えました。彼の名は、将棋界の歴史に刻まれることでしょう。

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