藤原帰一

藤原帰一の詳細情報

藤原帰一（ふじわら きいち、1956年6月16日生まれ）は、日本における著名な政治学者であり、特に国際政治学、比較政治学、およびフィリピンの政治に精通しています。現在は順天堂大学国際教養学研究科の特任教授を務める一方で、東京大学の名誉教授でもあります。また、東京大学未来ビジョン研究センターの客員教授としても活躍しています。

経歴

東京都に生まれた藤原は、父の仕事の都合で幼少期をニューヨーク近郊で過ごしました。麻布高校を卒業した後、彼は1979年に東京大学法学部を卒業し、1984年に同大学大学院の博士課程を単位取得満期退学しました。この時期、彼はフルブライト奨学生としてイェール大学大学院に留学しました。

藤原氏の職歴は豊かで、1984年から1987年まで東京大学社会科学研究所の助手を務め、その後、千葉大学法経学部に移り助手・助教授を経験しました。1992年から1999年にかけては東京大学社会科学研究所の助教授として活動し、1999年4月から2022年3月まで東京大学大学院法学政治学研究科の教授を務めました。また、政策ビジョン研究センター長としても重要な役割を果たしました。彼はフィリピン大学アジアセンターの客員教授や、その他の権威ある国際機関での研究活動も行っています。

研究分野と著作

藤原氏は、フィリピンの政治や民主化プロセスについて研究を重ね、その成果を多岐にわたる論文や著書で発表しています。特に2001年に刊行した『戦争を記憶する』は、歴史認識を巡る論争において重要な位置を占めました。近年は国際政治に関する研究に重点を置くようになり、大学やメディアにおいて活発に発言しています。彼は『朝日新聞』夕刊に月1回のコラム「時事小言」を連載しており、また雑誌『世界』において「壊れる世界」を連載しています。

メディア露出と講義

彼のメディア露出は広範囲にわたり、テレビ朝日の「サンデー・フロントライン」ではレギュラー出演を果たしました。さらに、放送大学大学院で国際政治に関する講義を担当し、2013年には大規模オンライン講座として「Conditions of War and Peace」を開講しています。

映画への情熱

藤原氏は映画にも高い関心を持ち、『論座』での連載『映画のなかのアメリカ』や 『本』での「アンチ・ヒーローのアメリカ」など、映画についての多くの著作を執筆しました。彼はまた、映画に関する多くのメディア活動を行い、2012年には外国映画ベストサポーター賞を受賞しました。

役職と受賞歴

藤原氏は日本比較政治学会の会長や、日本国際政治学会の理事など、数々の重要な役職を歴任しました。受賞歴には、南北文化コミュニケーション賞（2001年）や石橋湛山賞（2005年）が含まれています。これらの業績は、彼が日本における国際政治研究に与えた影響の大きさを示しています。

私生活

藤原氏の妻は竹中千春で、国際政治学者としての地位を確立しているきわめて才能のある女性です。彼らの間には学問的な交流もあり、互いの研究活動を支え合っています。このような背景から、藤原氏は日本の国際政治と社会問題に対する深い洞察を持つ重要な存在として認識されています。

もう一度検索