藤原忠綱 (御堂流)

藤原忠綱（ふじわら の ただつな）は、平安時代中期から後期にかけて生きた貴族であり、藤原北家の一員でした。彼は、権勢を誇った関白・藤原頼通の五男として生まれましたが、特異な経緯をたどります。母は藤原頼成の娘である藤原祇子です。

忠綱は、父・頼通の正室である隆姫女王への配慮から、実の息子としてではなく、従兄にあたる大納言・藤原信家の養子となります。この背景には、複雑な事情があったと考えられます。

忠綱は、主に地方官としてキャリアを重ねました。官歴としては、時期は不明ながら但馬守を務め、治暦3年（1067年）10月17日には従四位下に叙せられます。その後、延久4年（1072年）には常陸介に任じられ、永保元年（1081年）10月7日には近江守に任命されました。

しかし、応徳元年（1084年）に急逝し、その生涯を閉じました。彼の死後、その系譜は『尊卑分脈』に記録されています。

忠綱の妻は藤原範永の娘であり、彼女との間に二人の男子をもうけました。長男は藤原長兼（生年不詳 - 1123年）、次男は藤原基兼（生年不詳 - 1104年）です。また、生母が明らかでない子女として、真覚という男子がいたことが記録されています。

藤原忠綱の足跡をたどるには、参考文献として『尊卑分脈 第一篇』（吉川弘文館、1987年）や、宮崎康充編『国司補任 第四 第五』（続群書類従完成会、1990年）が役立ちます。これらの文献を通じて、彼の官歴や系譜に関する詳細な情報を得ることができます。

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