藤堂長正

藤堂長正について

藤堂長正（とうどう ながまさ）は、慶長19年（1614年）に伊予今治城で誕生した、津藩士名張藤堂家の第2代当主です。彼の家系は藤堂高吉を初代とし、名張藩の領主としての地位を持ち続けました。長正の父は初代当主の藤堂高吉であり、母は側室の慶法院で、彼には多くの兄弟がいました。長正の幼名は武蔵で、通称として九八郎や兵部、宮内などがありました。

幼少期と青年期

長正は幼少期を江戸で幕府の人質として過ごした後、寛永11年（1634年）に父の高吉に従い、上洛中の将軍徳川家光と面会します。この時期の経験が、彼の後の政治的センスや藩主としての行動に影響を与えたことでしょう。

家督相続と名張藤堂家の変遷

寛文10年（1670年）、父高吉の死去により長正は家督を相続し、通称を兵部から宮内に改めます。名張藤堂家はこの頃から藤堂宮内家とも呼ばれるようになりました。彼は藩主藤堂高久の命に従い、父の遺領2万石のうち5000石を三人の弟で分配しました。これにより知行高は1万5000石となったものの、この分知には名張藤堂家の力を削ぐ狙いがあったとされ、結果として家格の低下を招きました。

晩年と死去

長正は天和2年（1682年）8月20日、京都堀川の藤堂家屋敷で病気の療養中に亡くなりました。享年69歳でした。彼の法名は清涼院殿金翁長天大居士であり、名張の徳蓮院に葬られています。

家族と子孫

長正の正室は生駒正俊の娘で、彼には長守、長宥、長定といった子供がいます。さらに、桂草因室、藤堂隼人長好室、本阿弥光常室、隅屋惣左衛門室、有馬涼竹室、小澤宇右衛門正言室など、血縁を広げる結婚を通じて名張藤堂家の影響力を維持し続けました。長正の子孫も、名張藩内でその名が残ることとなり、歴史的な役割を果たしました。

藤堂長正の生涯は、名張藤堂家の歴史において重要な一ページを刻んでいます。彼の治世や家族の歴史が、今日に至るまで人々に語り継がれています。

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