藤尾茂

藤尾 茂（ふじお しげる）

藤尾茂は1948年10月8日、兵庫県西宮市に生まれたプロ野球選手で、捕手および外野手としての活躍が記憶されている。彼の野球人生は、少年時代から始まり、甲子園球場の近くで育ったことが、彼の野球への情熱に繋がっていった。

経歴

プロ入り前

藤尾は代々歯科医を営む家庭に生まれ、3人兄弟の末っ子であった。彼の父は藤尾を医者にさせたかったが、藤尾自身は野球にのめり込み、小学校では中田昌宏とバッテリーを組むようになる。1950年には鳴尾高に入学し、1951年春の選抜大会では六番打者として出場。決勝戦では鳴門高に惜しくも敗れたが、すでにその才能は光っていた。卒業後、彼は多くの球団から勧誘を受け、特に憧れの巨人に入団することとなった。

現役時代（1953年 - 1965年）

藤尾は1953年に読売ジャイアンツに入団し、すぐにアメリカでキャンプを経験。その年の巨人の正捕手は広田順であり、自らのレギュラー獲得は簡単ではないと感じていた。しかし、1955年には51試合に出場し、打率.286を記録、同年の日本シリーズでは重要な場面で活躍し、捕手の座を確立する。

1956年には急成長を遂げ、オールスターゲームにも選出。以降も打撃成績は安定し、1957年にはドジャースのキャンプに参加し、その実力が海外でも評価されていた。だが、1958年と1959年は怪我に悩まされる時期が続き、期待通りの成績を残せずにいた。それでもファンからは愛され続け、多くの人気を博した。

1961年には主将となり、捕手に復帰。しかし、同時に打撃不振に陥り、さらに不運な負傷が続いた。63年には肩を再び痛め、以降出場機会が激減した。1965年には、公式戦に出場することなく現役を引退し、野球人生に幕を下ろす。

引退後の活動

引退した藤尾は、金融業および不動産業を経て、1977年にゴルフ用品販売に携わるようになり、さらに鳴尾クラブの館長として若い世代への野球指導も行っていた。1987年からはリゾートの理事兼支配人としての道を歩み、ビジネス界でも成功を収めた。

2022年10月8日、彼は自宅で急性循環不全により76歳で逝去した。訃報は12月に報じられ、昔からのファンに惜しまれることとなった。

評価と遺産

藤尾はその俊足と打撃力、強肩から、「巨人軍の最強捕手」と称されることが多かった。特に西鉄監督の三原脩からの評価は高く、彼を日本で最高の捕手とみなしていた。機敏な動作と正確なスローイング、バント処理能力にも優れ、左投げ投手には強い一方、アンダースローに対しては課題を持っていた。

彼のキャリアを通じて、藤尾茂は多くのファンに愛され、若手選手への指導を通じてその情熱を次世代へと引き継いでいった。

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このように藤尾茂は、選手としても、指導者としても長い間野球界に寄与し続けた人物であった。

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