藤居本家

藤居本家は、滋賀県愛知郡に位置する、1831年（天保2年）創業の歴史ある酒類醸造販売業者です。特に、昭和20年から新嘗祭用の御神酒を醸造していることで知られています。

鈴鹿山系の伏流水と伝統の技

鈴鹿山系の豊かな伏流水と、選び抜かれた新米を使用し、伝統的な製法で丁寧に醸された白酒は、その上品な味わいと風格で、宮中をはじめ、全国の神社に奉納されています。その品質の高さは、長年にわたり培われてきた技術と、自然の恵みへの敬意の賜物と言えるでしょう。

製品：旭日

代表的な銘柄である「旭日」は、その名の通り、旭日昇天の勢いを込めた日本酒です。能登杜氏の技術指導のもと、伝統的な蓋麹法を採用し、丁寧に醸されています。芳醇な香りと深みのある味わいが特徴で、多くの日本酒ファンを魅了し続けています。

歴史的建造物

藤居本家には、歴史的価値の高い建造物が現存しています。1916年（大正5年）頃に建設された住宅主屋・書院は、2000年（平成12年）に国の登録有形文化財に登録されました。続いて、1923年（大正12年）頃に建設された東蔵仕込蔵・清酒蔵・試験室及び受検室・煙突が2008年（平成20年）に追加登録され、その歴史的価値が改めて認められました。これらの建造物は、当時の酒造りの様子を今に伝える貴重な文化遺産となっています。

ロケ地としての活用

藤居本家の東蔵は、その趣のある佇まいから、過去にNHK連続テレビ小説『甘辛しゃん』（1997年放送）や、『NHKスペシャル・最後の戦犯』（2008年放送）のロケ地としても使用されました。歴史を感じさせる空間は、映像作品に深みを与え、多くの視聴者の心に印象を残しました。

参考文献

『うまい日本酒 関西版』ぴあ、2015年。ISBN 978-4-8356-2689-5。

外部リンク

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