藤懸貴志

藤懸貴志騎手：挫折と成功、そして意外な一面

1993年生まれの長野県出身、藤懸貴志騎手は、日本中央競馬会（JRA）栗東トレーニングセンターに所属する騎手です。幼少期、祖父の影響で競馬に触れ、ゲーム『ダービースタリオン』で競馬の知識を深めました。小学6年生で騎手を志し、乗馬経験がないまま競馬学校を受験、見事合格を果たします。GIを制覇した松岡正海騎手を目標に、厳しい訓練の日々を過ごしました。

2011年、平田修厩舎からデビュー。初勝利までには142戦を要しましたが、2年目には16勝を挙げ、飛躍的な成長を遂げます。マーメイドステークスで重賞初騎乗を果たし、2着という好成績を残しました。しかし、3年目には落馬事故により右脛骨を骨折する重傷を負い、長期に渡るリハビリ生活を強いられました。

復帰後も、騎乗停止処分を受けるなど、順風満帆とは言い難い道のりを歩んできました。天皇賞（春）への騎乗機会を逃した経験や、新型コロナウイルス感染拡大の影響による騎乗自粛など、数々の困難を乗り越えてきました。地方競馬初勝利、そしてJRA通算100勝達成と、地道な努力を重ね、着実に実績を積み重ねています。

2021年は大きな転機となりました。GI初騎乗となったオークスでは3着、そしてマーメイドステークスで悲願の重賞初制覇を達成します。10番人気という低評価を覆し、見事勝利を掴み取りました。デビュー11年目での重賞初勝利は、藤懸騎手のこれまでの努力と、揺るぎない情熱の結晶と言えるでしょう。

競馬界での活躍だけでなく、藤懸騎手には意外な一面も持ち合わせています。実は、ももいろクローバーZの大ファンで、仲間内で「チーム・ももクロ」を結成しているほど。忘年会や披露宴では、同期と共にももクロのダンスを披露するなど、その熱意は並々ではありません。競馬番組への出演経験もあり、その飾らない人柄が多くのファンを魅了しています。

さらに、競艇を趣味としており、トークショーを開催した経験もあります。競馬学校時代には同期と犬猿の仲だったというエピソードや、リスグラシューの引退式で馬に乗せてもらったという貴重な経験など、数々のエピソードからも、藤懸騎手の魅力あふれる人となりが垣間見えます。

藤懸貴志騎手は、数々の困難を乗り越え、持ち前の明るさと努力で、着実に成長を遂げている実力派騎手です。今後の活躍にも、大きな期待が寄せられています。彼の歩みは、多くの競馬ファンにとって、勇気と希望を与えてくれる存在と言えるでしょう。

主な戦績
2011年デビュー
2011年8月20日 初勝利
2018年 地方競馬初勝利
2021年6月20日 マーメイドステークス優勝（重賞初制覇）
2021年7月31日 JRA通算100勝達成

エピソード
ももいろクローバーZの大ファン
趣味は競艇
競馬学校時代の同期との関係性など

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