藤木TDC

フリーライター藤木TDC：昭和から現代を繋ぐ文化記録者

藤木TDC氏（本名：藤木直）は、1962年生まれのフリーライターです。秋田県出身で、1981年に上京。85年にはレンタルビデオ店勤務のかたわら、アダルトビデオ専門誌でライターとしてデビューという異色の経歴の持ち主です。

初期は「藤木ただし」「藤木タダシ」名義も用いていましたが、アダルトビデオブームの中で頭角を現し、やがてエロメディアの評論家として名を馳せます。特に、『噂の眞相』誌で12年に渡り連載された「アダルトビデオ構造主義」「新性紀猥物史観」は、彼の代表的な仕事として知られています。

アダルトビデオという特殊なジャンルを専門的に研究する一方、彼の執筆活動は多岐に渡ります。AVや風俗業界はもちろんのこと、昭和時代の芸能史、日本映画、そして東京の繁華街など、多様なテーマを深く掘り下げた記事を数多く発表しています。

藤木氏の著作は、単著・共著合わせて多数にのぼり、その内容は多様性に富んでいます。アダルトビデオの歴史や業界の構造を分析した作品から、昭和時代の酒場文化や東京の街並みを懐かしむルポルタージュ、さらに現代社会の闇を暴くノンフィクションまで、幅広い読者層を魅了する作品を世に送り出しています。

主な著書

単著
『醜聞聖書 The bible of scandal』（洋泉社）
『アダルトメディア・ランダムノート』（ミリオン出版）
『アダルトビデオ革命史』（幻冬舎新書）
『場末の酒場、ひとり飲み』（ちくま新書）
『アダルトビデオ最尖端〜身体と性欲の革命史〜』（コアマガジン）
『ニッポンAV最尖端 欲望が生むクールジャパン』（文春文庫）
『陰謀馬券の正体』（宝島SUGOI文庫）
『昭和酒場を歩く―東京盛り場今昔探訪』（自由国民社）
『昭和遺産探訪』（宝島社）
『東京戦後地図 ヤミ市跡を歩く』（実業之日本社）
『メディアはなぜ沈黙したのか　報道から読み解くジャニー喜多川事件』(イースト・プレス)
『はじめて行く公営ギャンブル』（ちくま新書）
共著
『別冊宝島 一億人のAV』（宝島社）
『別冊宝島 性メディアの50年』（宝島社）
『別冊宝島 芸能界スキャンダル読本』（宝島社）
『特集アスペクト 20世紀のアダルトビデオ』（アスペクト）
『東京裏路地〈懐〉食紀行 まぼろし闇市をゆく』（ブラボー川上との共著、ミリオン出版）
『続東京裏路地〈懐〉食紀行 まぼろし闇市へ、ふたたび』（ブラボー川上との共著、ミリオン出版）
『昭和幻景 消えゆく記憶の街角』（ミリオン出版）
『日活不良監督伝 だんびら一代 藤浦敦』（洋泉社）
『東京ディープツアー 2020年、消える街角』（毎日新聞出版）
『消えゆく横丁: 平成酒場始末記』 (筑摩書房)
漫画原作
『辺境酒場ぶらり飲み』（リイド社）

メディア出演

藤木氏は、ライター活動以外にもラジオ番組への出演など、多方面で活躍しています。TBSラジオの『ニュース探究ラジオ Dig』ではパーソナリティを務めた経験があり、その幅広い知識と軽妙な語り口で多くのリスナーを魅了しました。また、米国のドキュメンタリー映画『VHSテープを巻き戻せ!』にも出演しています。

藤木TDC氏は、単なるライターという枠を超え、昭和から現代へと続く日本の文化を独自の視点で記録し続ける、重要な存在と言えるでしょう。彼の著作は、過去を理解し、未来を考える上で貴重な資料となることは間違いありません。X（旧Twitter）アカウント(@fujikiTDC)でも情報発信を行っています。

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