VHSテープを巻き戻せ!

『VHSテープを巻き戻せ!』（原題：Rewind This!）は、2013年に製作されたアメリカ合衆国のドキュメンタリー映画です。この作品は、かつて一世を風靡したビデオテープの規格、VHSを題材としており、単に技術的な側面だけでなく、VHSが社会や文化に与えた影響についても深く掘り下げています。

日本では、2014年6月7日に新宿シネマカリテで開催されたカリコレで特別上映され、同年7月26日には劇場公開されました。 特筆すべきは、劇場公開時の鑑賞券として、実際に使用されていたビデオテープが用いられたことです。

製作の背景

監督のジョシュ・ジョンソンは、幼少期からVHSに親しんで育ちました。DVDやBlu-rayといった新しいメディアが登場するにつれて、VHSでしか見ることができない作品が失われていくことに危機感を抱き、本作の製作を決意しました。

取材対象者

本作では、映画監督や映像クリエイター、VHSビデオのコレクターなど、多岐にわたる人々が取材を受けています。具体的には、ロイド・カウフマン、アトム・エゴヤン、ジェイソン・アイズナー、押井守といった著名な映像作家が登場し、VHSに対するそれぞれの思いや、VHSが自身の作品に与えた影響について語っています。

ジョンソン監督は、ドキュメンタリー映画専門ニュースサイト「neoneo」のインタビューで、当初は自身の知人を中心に取材を進めていったと語っています。しかし、撮影が進むにつれて、取材対象者から関係者を紹介してもらうことが増え、結果的に広範囲な人々への取材につながったそうです。また、インタビューしたい人物のリストを作成したところ、その数が膨大になってしまったため、プロデューサーや協力者のアドバイスや協力を得ながら、取材を進めていったそうです。日本での取材にあたっては、クラウドファンディングで資金を募り、多くの賛同者からの支援を得ることができました。

ジョンソン監督が日本で取材を行った理由としては、日本がVHS発祥の地であること、そして北米とは異なる独自の市場が発展していったことが挙げられます。

出演者

アトム・エゴヤン
ジェイソン・アイズナー
フランク・ヘネンロッター
ロイド・カウフマン
カサンドラ・ピーターソン
押井守
高橋洋
千葉善紀
加藤和夫
藤木TDC
中原翔子
いまおかしんじ
バクシーシ山下

スタッフ

監督・脚本・原案：ジョシュ・ジョンソン
製作：キャロリー・ミッチェル
撮影・編集・音響：クリストファー・パルマー
エグゼクティブ・プロデューサー：フレディ・フィラーズ、パノス・コスマトス
音楽：ジョシュ・フリーダ

『VHSテープを巻き戻せ!』は、単なる懐古趣味に留まらず、映像文化の変遷や、メディアと人々の関わり方について深く考えさせられる作品です。VHSを知らない世代にとっては、新鮮な驚きに満ちた発見があるでしょうし、VHSに親しんだ世代にとっては、忘れかけていた記憶が鮮やかに蘇るでしょう。

外部リンク

公式ウェブサイト（日本語）
ＶＨＳテープを巻き戻せ！ - allcinema
ＶＨＳテープを巻き戻せ！ - KINENOTE
オールムービー'>Rewind This! - オールムービー（英語）
* IMDb'>Rewind This! - IMDb（英語）

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