藤田俊訓

藤田俊訓の生涯と功績

藤田俊訓（ふじた しゅんくん、1898年2月8日 - 1975年2月25日）は、日本の曹洞宗の僧侶であり、大学経営者としての業績でも知られています。彼は佐賀県の大町町に生まれ、賢崇寺の第29代住職や駒澤大学の学監を務め、「駒大中興の祖」として名を馳せました。

幼少期と教育の歩み

藤田は佐賀県神埼郡城田村にて、光円寺の住職である父・亮雄と母・センの間に生まれました。1925年に曹洞宗大学（現在の駒澤大学）を卒業し、在学中は学内誌「第一義」の編集にも関与しました。特に1923年には関東大震災に遭遇し、その後は広川弘禅や安藤文雄らと共に曹洞宗大学の単科大学昇格運動に取組みました。卒業後は曹洞宗総務院に勤務しますが、すぐに帰郷して宗侶として活動を開始します。

宗教界での活動

1932年に山口県の多々良学園の学監に就任。その後、東京都港区元麻布にある賢崇寺に住職として奉職し、1942年には二・二六事件の際、「二十二士」の埋葬許可を得るために奔走しました。これは栗原勇と共に行った活動の一環で、慰霊祭を開催したことで賢崇寺に二十二士の墓碑が設けられました。戦時中は世田谷の宗立中学校の教頭も担当しました。

大学経営者としての業績

1958年3月、藤田は駒澤大学の学監に就任し、この職務を彼の生涯の最期まで全うしました。この職務に就くきっかけは、当時の総長である衛藤即応からの強い要請があったためです。彼の就任以降は、大学の成長と発展に大きく寄与しました。当時、大学の認知度が低く、仏教学校としてのイメージが強かったため、藤田は積極的に大学の宣伝活動 và クラブ活動の活性化に努めました。

新たに北海道にも進出し、駒澤大学附属苫小牧高等学校や岩見沢高等学校の開校を支援しました。さらに、駒沢大学駅の開設にも深く関わっており、その際には「駒澤大学の宣伝価値は計り知れない」と展望した言葉が残っています。また、野球部や柔道部、空手道部など、運動部の強化を図り、学生を魅了するための施策を講じました。

藤田は学監としての在任中に学生数を大幅に増やし、約2,500人から25,000人にまで引き上げました。大学の基礎となる制度、例えば父母会や同窓会、奨学金制度の設立にも寄与したことは、長きにわたり駒澤大学が発展する基盤を築いたとも言えます。

最晩年と評価

1975年には駒澤大学から名誉文学博士の称号が授与され、これは1962年に受賞した正力松太郎に続くものでした。藤田俊訓は同年の2月25日に横浜市立大学附属病院で78歳で亡くなりました。彼の業績は今日でも多くの人々に受け継がれ、駒澤大学の発展に欠かせない存在として記憶されています。

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