虚空蔵山 (広島県東広島市志和町)

虚空蔵山（こくぞうやま）

虚空蔵山は、広島県東広島市に位置する山です。かつての志和町と八本松町の境界にあり、麓には並滝寺池が広がります。池の対岸にある「なみ滝藤原園」からは、水面に映る美しい山の姿を眺めることができます。

概要

地元では「岩室山」とも呼ばれ、東広島市立川上小学校の校歌にも歌われています。山頂には三等三角点「岩室」が設置されており、標高は666.1mです。また、「広島県百名山」および「ひろしま百山」の一つとしても知られています。

見晴らし大岩

山頂付近にある「見晴らし大岩」は、多くの登山者が訪れる人気のスポットです。岩の上からは、眼下に篠の集落、南東方向には西条盆地、南西方向には志和町、そして遠くには広島湾を一望できます。

大岩の近くにはポストが設置されており、中にはノートとペンが入っています。登山者たちは、このノートに登山記録や感想などを自由に書き込んでいます。

登山ルート

虚空蔵山には、複数の登山ルートがあります。

Aコース: 並滝寺池の堰堤付近からスタートするルートです。途中、ロープが設置されている箇所があります。
Bコース: 新広島変電所付近から登るルートです。鉄塔があるため、階段が整備されています。
* Cコース: うぐいすが丘団地から登るルートです。

AコースとBコースは、途中で合流します。

山にまつわる伝説

虚空蔵山には、古くから様々な伝説が語り継がれています。

磐座（いわくら）

古代の人々は、山全体を神聖な場所と考え、自然のままの山や岩石を神として祀っていました。虚空蔵山には、山頂に高さ約40メートルの奥津磐座、中腹に中津磐座、麓に高さ2.7メートルの石津磐座と呼ばれる岩があります。神様は、奥津磐座から順に三つの岩を通って、麓にある岩蔵神社の拝殿に降りてくると伝えられています。

天女の話

天気の良い日には、山頂の岩の上に天女が舞い降りてきて遊んだという伝説も残っています。

乳神山さん

岩の下方には水が湧き出る場所があり、その横には小さな祠が祀られています。この祠は「乳神山さん」と呼ばれ、乳の出が悪い女性が参拝し、湧き水を飲んで振り返らずに帰ると、乳が良く出るようになると言い伝えられています。

交通アクセス

国道486号の磯松交差点から県道80号線を北上し、八本松篠交差点を左折して道なりに進むと、並滝寺池の堰堤横に到着します。

虚空蔵山は、美しい自然と豊かな伝説に彩られた、魅力あふれる山です。ぜひ一度、訪れてみてください。

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