虹彩異色症

虹彩異色症（こうさいいしょくしょう）

虹彩異色症とは、左右の眼で虹彩の色が異なる状態や、一方の虹彩が部分的に変色している現象を指します。この特性は、ヒトだけでなく、特に犬や猫においても頻繁に見られます。

概要

この症状は、特に猫に多く見られることが知られており、日本では一つの目が黄色（銅色）で、もう一つが青色の虹彩を持つ猫が「金目銀目」と呼ばれることがあります。白猫はこの異色症を発症しやすく、青い側に聴覚障害を併発している場合もあります。また、タイでは「カオマニー」と呼ばれており、「白い宝石」という意味を持ち、特にその瞳は「ダイヤモンドの瞳」と称されています。

犬に関しては、特にシベリアンハスキーの場合は、虹彩の異常を示さないことが多いとされています。

ヒトにおける虹彩異色症の原因

人間においては、虹彩異色症は先天的に発生することがありますが、遺伝的な要因や後天的な影響もあります。具体例としては、ワールデンブルグ症候群やまだら症、ぶち症などの遺伝性疾患が挙げられます。また、ホルネル症候群、虹彩毛様体炎、緑内障、または虹彩萎縮や放射線による損傷などが後天的な原因となることもあります。なお、先天性の虹彩異色は間違いなく白人に多く見られる傾向があると言われています。

著名な虹彩異色症の保持者

虹彩異色症を持つ著名人には、歴史的人物から現代の文化人まで多くの例が存在します。古代のマケドニア王アレクサンドロス3世（ブラウンとブルーの瞳）や、東ローマ帝国皇帝アナスタシウス1世がその一例です。

近代に入ると、フランスの眼科医学者ルイ・エミール・ジャヴァールや日本のジャーナリスト橋本明、後にデヴィッド・ボウイなどが記憶に残る著名な例です。特にデヴィッド・ボウイは、1962年の事故により一方の瞳の色が変わったことで知られています。

その他にも、ジェーン・シーモアやベネディクト・カンバーバッチ、ケイト・ボスワースなど、多くの現代のセレブリティがこの特性を持っています。

サブカルチャーにおける描写

さらに、虹彩異色症はサブカルチャーやフィクション作品においても重要な意味を持っています。多くの小説、漫画、アニメ、ゲームなどにおいて、登場人物にこの特徴があることはしばしば見られ、キャラクター設定のひとつとして好まれています。日本では特にこの傾向が顕著で、左右の目の色が異なるキャラクターが作品中に多く登場することが批評の対象となることもあります。

一つの文学賞では、応募作品の5つに1つがこの特性を持つキャラクターを含んでいると報告されています。このような設定がオリジナリティに欠けるという声もありますが、評論家の大塚英志は、人気のあるキャラクター設定は物語においてどのように活かされるかが重要であり、その批評点を争点にするべきだと主張しています。

まとめ

虹彩異色症は、ペットに多く見られる症状ですが、人間にも見られる興味深い特徴です。著名な人物を通じて、その魅力や文化的な影響が見えてきます。また、サブカルチャーではこの特徴が独特の魅力を持つキャラクターに利用され、多くの作品で親しまれています。

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